キャニオン グレイルを購入したので、早速グラベルライドとやらに出かけてみた。
今回目指すのは大阪南部にある「高倉林道」。距離をあまり調べずに走りに出たのだが、いきなり100kmライドになってしまった。
ライド概要
高倉林道
高倉林道は、大阪府泉南市の泉南阪南火葬場から堀河ダムを結ぶ全長3.7kmの林道。
舗装されている部分もあるが、区間の半分ほどはフラットダートになっている。
どちらから走り始めても登って下る形になるが、勾配がきつい堀河ダム側でも勾配は最大8%程度と走りやすい。
走行ルート
今回は、京大原子力研究所をスタート、高倉林道を経由して紀泉わいわい村に至るルートを設定した。
バイクと装備
CANYON GRAIL CF SL
前日にシェイクダウンしたばかりのグラベルバイク。
2階建てハンドルと2分割シートポストで、高い衝撃吸収性を持つ。
ポジション調整に難のある一体型ハンドルだが、違和感のないポジションが出た。
Panaracer Gravelking SS 700×38C
タイヤはパナレーサー グラベルキングSS(セミスリック)の700×38c。
センター部分はスリックパターンで、肩の部分にはノブがある、いわゆるセンタースリックパターンのタイヤ。
直進時は転がり抵抗が少ないが、バイクが傾くとサイドノブが接地し、オフロードでしっかり路面を掴む。
今回のように舗装路走行が長く、でもグラベル走行も楽しみたい場合には最適な選択肢。
チューブレスレディ対応だが現在はチューブを入れている。空気圧は3.5気圧に設定した。
グラナイトデザイン ロックバンド
グラベルタイヤ用の太いチューブがサドルバッグに入らなかったので、チューブはフレームに直接巻きつけた。
グラナイトデザインのロックバンドは2つのベルクロバンドが組み合わさった構造。
内側のバンドでチューブやタイヤレバーを固定したうえで、外側のバンドでフレームに巻きつける。
フレームに当たる部分には滑り止めがついているので振動が加わってもずれにくい。
チューブに加えて、チェーンカッターとマスターリンクプライヤー機能付きのタロンタイヤレバーを巻きつけた。人里離れた場所でチェーンを切ると悲惨だからね…
原子力研究所前をスタート
今回のライドレポートでは京都大学 複合原子力科学研究所をスタート地点に設定。まぁ、自宅からここまで35kmくらい走っているのだけど…
原子炉実験所とか原子力研究所と呼ばれているこの施設は、核エネルギーや放射線の研究が行われている。
ここの研究室は、京都市内のキャンパスから遠く離れた場所にあるせいで不人気だった…
通常は関係者以外立ち入りできないが、毎年4月には内部が一般公開されていて、実験設備を見学することができる。
さて、走り始めてしばらくは府道62号線を南下。最初は道路脇に店が並んでいるが、だんだん少なくなる。
阪和道の高架下で右折すると、田園風景に変わる。
ここから先は、だいたいこんな景色が続く。
新滝の池
さらに進み、泉佐野丘陵緑地の外周ををぐるっと回ると分岐が現れる。本来のルートからは外れるが、ここを左に登ると、新滝の池というダムに出る。
ゲートがあるが、自転車や歩行者は右の隙間から出入りできる。
新滝の池ダムは堤体が赤いのが特徴。緑の中で映える色にしたとかなんとか。
ダム湖の外周は整備された走りやすい道になっている。
実はここから林道を通って泉南市立青少年の森に抜けようと思っていたのだけど、ゲートで通行止めになっていた。残念。
先程の分岐に引き返し、高倉林道の起点である火葬場を目指す。
最高に気持ちいい道が続くのだが、遮るものがないと暑い。
高倉林道
ルート通り進んで、きつい坂を登りきったら視界が開け、左手にグラウンド、正面には火葬場が見える。
グラウンド脇にはトイレと自販機がある。ここで水分補給を済ませて、いよいよ高倉林道へ。
最初は舗装されているが、少し登るとグラベルが現れる。
砂利は細かく、硬く締まったフラットダートで走りやすい。上りだけなら、ちょっと太めのロードタイヤでも走れそう。
途中には展望スポットもある
(立入禁止になっているが)観覧台が見えたら林道のピーク。路面はいったん舗装路になる。
この付近に「お菊松」への分岐がある。自転車・バイク進入禁止の看板が2個も立っていた。
ここからは堀河ダムまで下る。路面の舗装はじきになくなり、再びグラベルに。
スピードの乗る下りコーナーではサイドノブの有り難みを強く感じる。完全なスリックタイヤだとおっかなびっくり下る羽目になった。
とはいえ、MTBやシクロクロスのタイヤと比べるとグリップは弱いので、慎重に。
砂利で転ぶと痛い。傷口にめり込んだ小石をタワシで掻き出すのはもう嫌だ…
再び舗装路が現れると、ほどなくT字路にぶちあたり、高倉林道の終点。
火葬場からここまで3.7km。10分ほどのグラベルライドだった。
紀泉わいわい村
せっかくなので、ダム湖上流側に少し進み、紀泉わいわい村に向かう。
ここは、里山の暮らしと自然体験ができる施設で、茅葺風のコテージに宿泊できるらしい。
本物の茅葺き古民家も建っていて、中にはかまどや囲炉裏があった。
帰路
さて、実は紀泉わいわい村には府道63号線でアクセス可能なので舗装路で帰れるのだが、
せっかく何10kmも走ってきたので、帰りも高倉林道を走ることにする。
T字路のすぐ近くに、往路では気づかなかった看板が立っていた。錆の具合が味わい深い。
火葬場からは来た道をもどり、スタート地点の原子力研究所付近へ。
夕立直撃
目当てのグラベルを走り、撮影も終わり、さぁ家に帰ろうかと思っているとなにやら空が暗い。
程なくして、強烈な夕立が降り始めた。
まさかいきなり雨中走行、しかも大雨に打たれるとは思っていなかったが、ワイドタイヤとディスクブレーキの威力を実感できた。
冠水していても全く怖くないし、レバーを握ればキッチリ止まる。
西の空には雨雲がないので、滝のような雨だが虹が出ている。綺麗だけど顔が痛い。
自宅近くに帰ってくると、雨は降っていなかった。
結局、本日の走行距離は102km。いきなりの100kmライドとなった。
動画
YouTubeチャンネルでグラベルライド動画を公開中。
グラベルロードでの100kmライドを終えて
せいぜい60~70kmくらいかな?と思っていたが、幹線道路を避けて走りやすい道を迂回したせいで予想外に距離が伸びてしまった。
グラベルタイヤはロードに比べるとスピードが出ないと考えていたが、センタースリックパターンということもあって、実際はかなり良いペースで巡航できた。
MTBやCX用のタイヤと比べると舗装路でのスピードが段違い。目当てのグラベルに至るまでのアプローチで快走できるという点が、グラベルバイクの強みだと感じた。
もちろん重量があるので加速は鈍いし、上りのペースは遅くなるが、グラベルを含む長距離ライドをするなら、センタースリックのグラベルタイヤは良いチョイスだと思う。