ZMP(Zwift MMP Point)は、kotaro(こたろー)氏が考案した「レースの総合力」とでも言うべき数値。
ZMPは各時間帯のMMP(最大平均パワー)と体重をもとに算出しているため、単純なFTPだけでなく、無酸素運動能力やスプリント能力など、レースで必要なフィジカルの要素が反映される。
このZMPを利用して、一部で「体重調整レース」というMEETUPが行われている。
ZMPが同じ値になるよう体重ハンデを設定し、剛脚ほど体重を重く、貧脚ほど体重を軽くすることで、実走ではレースが成立しない脚力差があっても、ZWIFT内では互角の勝負ができる。また、フィジカルが揃うぶん、個々の脚質に合った戦術が重要になってくる。
ZMP基準の体重調整レースは、ZWIFTの楽しみ方を変える大きな可能性を持っている。
2021年2月に、ZMP=65になるように体重調整をして開催されたチーム対抗バーチャルレース「ICOL=」では、イコールコンディションならではの接戦が繰り広げられた。
レースはMEETUPで実施
ZWIFTでは体重の虚偽申告はルール違反のため、体重調整レースを行う際はMEETUPで、ルールを理解した人の間だけで楽しむ形式となる。
MEETUPではスタート・ゴール着順の判定が正確にできないため、スタート・ゴールや着順判定にはちょっと工夫が必要。
体重調整レースを行っている人達の間では、MEETUP開始後しばらくはニュートラル区間として、一定時間経過後にローリングスタート、リザルトは画面録画などから判定、という運用をしているようだ。
ZMPの計算と体重ハンデ設定方法
さて、体重調整MEETUPを行う際には、以下の手順に沿ってハンデを設定する。
- 自分のMMPを調べる
- ZMPの算出
- ZWIFT上で体重調整
①自分のMMPを調べる
まず、過去90日間の5秒、1分、5分、20分MMP(最大平均パワー)を調べる。
一番簡単なのは、ZWIFTのメニュー画面を開き、「自己ベスト」に表示された値を確認すること。
ただし、これは過去全期間のベストなので、過去90日以内のMMPを求めるには、以下のリンクを参考にして期間を絞り込む必要がある。
なお当然ながら、全力でスプリントや1分走をしたことがない人は、そもそも正確なMMPが記録されていない。もがけ。
5分ベストはRAMP TESTで記録されることがある。20分ベストはFTP TEST (SHORTER)か、FTP÷0.95で推測値を出すか…
②ZMPの算出
kotaro(こたろー) 氏作成のZWIFT-MMP脚質判定ツールに体重とMMPを入力することで、脚質とZMPを算出できる。
ZMPが算出されたら、「詳細&体重調整」を押すと、任意のZMPに調整できる。
走るコースの起伏によって、調整の具合を
- 平坦
- ベース
- 山岳
- ド山岳
より選択可能。剛脚さんたちが上りでブッ千切れるときは、山岳やド山岳でZMP調整すると、上りのハンデが緩和される。
上図の場合だと、体重60kgでZMP69のところ、+5kgのハンデ(65kg)でZMP65に調整できる、というわけ。
高すぎるZMPに調整すると体重が異常に軽くなるため、ZWIFTにチート認定されてBANされるリスクがある。
参加者の平均値くらいに合わせるといいんじゃないかな。
③ZWIFT上で体重調整
調整後の体重がわかったら、ZWIFT上でプロフィールの体重を書き換える。
ZWIFTコンパニオンからの体重調整は、ZWIFT起動中には反映されないので、ZWIFT自体で設定するのが確実。
ZWIFTのメニューを開き、プロフィールを選択
プロフィールの体重欄に、調整後の体重を入力すればOK
あとは仲間内でイコールコンディションの競り合いを楽しもう。
基本的にフィジカルが均一化されるため、全員が限界まで追い込むことになる。なので、そのへんのレースより余程キツい。
僕の場合だが、ICOL=翌日は脚がパンパンで通勤すら辛かった。
※ZWIFTでは体重の詐称(特に軽くする方向)は重大なルール違反なので、MEETUPが終わったらすぐ、本来の体重に戻すように。特に、レースにそのまま出ないこと!