関西CX第3戦の会場は、琵琶湖のほとり、テクニカルがキャンバーが名物の烏丸半島で開催。
E1は、最後尾からスタートしたシマノレーシングのコータプロが先頭でレースをリード。このペースにはついていけず、後輩の笛木くんと2位パックを形成したが、キャンバーのミスで遅れてしまう。
数秒差は埋まるどころかどんどん広がり、レース後半は3位単独、そのままフィニッシュとなった。今日は調子は悪くないもののミスが多く、精彩を欠いていた。
11/19 関西シクロクロス第3戦 烏丸半島 E1
天候:晴れ 17度
コースコンディション:草地、泥
リザルト:3位/54名(7周回 +2:50 順位5% フルラップ完走32名)
機材
Ridley X-Night Disc 1号車
- 前輪: Mavic Allroad SL / Panaracer ALBIT + Insert / 1.7bar
- 後輪: Mavic Allroad SL / Panaracer ALBIT + Insert / 1.7bar
Ridley X-Night Disc 2号車
- 前輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.7bar
- 後輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.7bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
関西CX第3戦 烏丸半島に参戦
初戦 日高川から1ヶ月が経ったが、シクロクロスシーズンはまだ序盤。
関西CX第3戦の会場は、琵琶湖岸に突き出た烏丸半島。
重い泥区間を踏み抜くパワーと、滑りやすいキャンバーを攻略するテクニックが要求される、シクロクロスの総合力を試されるコースだ。
都市部からのアクセスも良いため人気の会場で、今年は700名以上のエントリーがあったという。
烏丸半島を走る上で気がかりなのが泥コンディションだ。台地部分は水はけが悪く、雨が降るとすぐに水たまりができる。水分を含んだ土はタイヤで練り上げられ、適度に水分が抜けると重たい粘土質の泥に変貌する。昨年などは、ペダリングするよりバイクを担いで走る方が速いくらいだった。
キャンバー区間については、草が剥げて土が露出した部分は滑りやすいヌルヌルの斜面となる。
今年はというと、前日までの雨の影響で重たい泥区間がある一方で、キャンバーの路面は良好だった。適度に湿り気があるせいでタイヤのノブが食いつくため、完全なドライよりむしろグリップするくらいだ。
今回はシケインも設置されないため、相応のパワーとテクニックがあれば乗車率100%のコースだ。
試走とセッティング
金曜日に雨が降り、土曜も雨が降ったり止んだりという天気だったため、前日試走の路面はウエット。
気温も低かったため、台地部分を走ると跳ね上げた泥水で尻が冷たくて仕方なかった。
ただ、懸念のキャンバー区間は思ったよりもグリップがあり、技術があれば乗車できる程度のコンディション。
スムーズに乗車していければ速いが、ミスするとタイムロスが大きい、テクニックで差がつく難易度だ。
前日試走を終えると、草混じりの泥が駆動系に絡みつき、ハンガーがもげる直前になっていた。プーリーやカセットを外して掃除したが、もし明日も同じような状況なら、レース中のバイク交換は必須だろう。
前日の寒さとうってかわり、レース当日は好天に恵まれた。気温も上がり、11月半ばにしては暖かい。
コースコンディションも良くなったが、泥区間は予想通り重くなった。ここでペダルを踏み切れるかどうか、走りやすいラインを見つけられるかどうかで差がつくだろう。
今回は途中でバイク交換する作戦。1号車はAlbit 前後1.7bar、2号車はCGCX 前後1.7barにセット。
ウエアはメッシュインナーと長袖ワンピース、グローブはハーフフィンガーだ。
あとは、キャンバーで降車した際に足を滑らせないよう、シューズにスパイクをつけておく。
シマノの現行シューズ用の板状スパイクは緩い路面にしっかり刺さってトラクションが掛かる。
アップを済ませ、上着がいらないくらいの陽気の中、招集へ。
レースレポート
先週、東海CXおおが城山遠征でAJOCCポイントを稼いだこともあって、ゼッケン1番でグリッドに並ぶ。
どこを選ぶか迷ったが、ホームストレートの路面状況もさほど変わらないし、中央寄りに位置取り。
定刻より3分ほど押してスタート。
村田さん、コッシーに続いて3番手でコントロールラインを通過したのに、1コーナーで並ばれてポジションを落とす。
最初のキャンバーには6番手で進入。できれば前がクリアな状況で入りたかったのだが…
案の定、出口で足を引っ張り合い、先頭を走っていたコッシーが少し抜け出す形に。
今回、強豪メンバーはUCIレースである野辺山シクロクロスに遠征中。だが、最後尾からはシマノレーシングのコータプロこと横山航太選手が出走している。
フィジカルにもテクニックにもハッキリとした実力差があり、敵う相手ではないが、シクロクロスはスタートが最重要なレース。スタート位置の差は大きなハンデになる。
今日のレース、個人的な興味は「追い上げてくるトップレーサーからどれだけ逃げられるか?どこまで食らいついていけるか?」というところにあった。
さて、最初のピットくらいまでは逃げられると思っていたのだが、コース北端のキャンバー手前でシマノレーシングジャージが追い上げてきた。
レース開始1分ちょっとで50人抜き。これには先頭パックもびっくり。
コータプロ、コッシー、私、笛木くんの4名パックでレースを牽引。が、2周目に入る頃にはコータプロが先行し、7秒遅れで3名の2位パックという形。
1周目に飛ばしたコッシーはここで燃料切れ。笛木くんとKUCC(OB)パックを形成した。
烏丸半島は好きなコースなのだが、今日はうまくバイクに乗れない。焦っているのか身体が硬い感じで、キャンバーセクションでもミスが目立つ。
失敗して足をついて、復帰に手間取ってタイムを失う。その挽回でいたずらに体力を消耗する。
4周目にピットインしてバイク交換。マッドタイヤのAlbitを履いた1号車から、ドライ向けのCGCXを履いた2号車に乗り換えた。
今回、混戦が予想されるレース前半はマッドタイヤでグリップを優先し、パックが少人数に絞られるレース後半は転がりが軽いCGCXで走ることにしていた。
バイクを乗り換えることで、フレームや駆動系、ペダルにまとわりついた泥もリセットできる。
ピットインのタイムロスをすぐに巻き返し、笛木くんに追いついて再び2位パックを形成した…のだが、この周回の最後のキャンバーで車間を詰めすぎてミス。完全に失速してしまった。
出口が登り坂になっていることもあって、一気に7秒も遅れてしまう。
ここが大きな転換点になった。すぐに追いつけると思っていたが、9分20秒台のラップを刻む笛木くんに対して、私はペースが上がらず、毎周回10~15秒ずつ遅れていく。
パックから脱落し、単独3位で一人旅。そんな状況で走っていると、去年の烏丸半島で調子を崩し、その後、年明けまで不調に悩んだことが思い出される。
しかし、4位とは30秒以上の差をつけていて、決して遅いわけじゃない。
「今日は笛木くんが強い」と結論づけて不安を振り払い、淡々と踏み続ける。
1位のコータプロから2分50秒差、笛木くんからは56秒遅れて3位フィニッシュ。
レースを振り返って
結果こそ3位で表彰台に乗ったものの、精彩を欠くレースだった。
まず走り方。レース序盤は周囲の選手と車間を詰めすぎ、ミスや失速に巻き込まれることが何度もあった。
焦るあまり、場所に応じた間合いの取り方ができていなかったと思う。
次にバイクセッティング。
今回、混戦になる前半はグリップを優先してマッドタイヤのAlbit、順位争いが落ち着く後半はドライ用のCGCXで走るプランだった。
バイク交換自体は良い判断だった。レース後はペダルや駆動系に泥が詰まり掛けていたので、トラブルを未然に防げたと思う。
しかし、レース後半にドライ向けのCGCXを選択したのは失敗だったかもしれない。
もちろんキャンバーセクションを問題なく走れることは試走で確認していたが、ラップタイムを見ると、バイクを乗り換えた4周目以降、遅くなっていることがわかる。
1周 | 0:09:18 |
2周 | 0:09:14 |
3周 | 0:09:24 |
4周 | 0:09:37 ※バイク交換 |
5周 | 0:09:41 |
6周 | 0:09:36 |
7周 | 0:09:51 |
単に疲労でタレただけかもしれないが、タイヤチョイスも無視できない。フロントだけでもAlbitを履いたほうが、安心してキャンバー区間を走れ、結果的に速かったかもしれない。
ただ総合狙いという観点では、内容がグダグダでも3位を取れたのは大きい。今季の関西CXは2位、1位、3位と連続で表彰台に乗っており、関西CXランキングでは暫定トップだ。
滉太やたつーみ、伸元といった強豪メンバーがJCX遠征している間にポイントを稼げた。
来週は同じ会場、ほぼ同じコースレイアウトで関西CX琵琶湖グランプリが開催される。UCIレースとあって国内トップ選手はもちろん海外選手も出場する、非常にレベルの高いレースだ。
ここで獲得したJCFポイントが全日本選手権のスタート位置に影響する。東北CXわたりJCXでポイントは稼いでいるが、より有利なポジションで全日本を走れるよう、今回の反省を活かして好成績を狙いたい。
応援・撮影・サポートありがとうございました。