先日サイクルモードライド大阪で「うっかり散財してしまった」CANYON GRAIL CF SLがやってきた。
ついにグラベルロードを買う
数年前から盛り上がりを見せているグラベル人気。「日本に広大なグラベルなんてないし…」と最初は醒めた目で見ていたのだが、
ロード用ディスクブレーキの普及にも後押しされ、今やたいていのロードバイクブランドのはグラベルロードがラインナップされる状況に。
シマノGRXコンポーネントなど、グラベル用と銘打った製品も充実してきた。
そんなわけでグラベルロードが気になっていたのだが、シクロクロスとキャラクターが被る部分もあって手を出せずにいた。
ところが、パナレーサー PRパートナーに就任して風向きが変わった。
パナレーサーが今最も力を入れているのがグラベル用タイヤ「グラベルキング」シリーズ。
私もロードバイクで26cのグラベルキングを使っているけれど、シリーズのメインになるのはやはり、本格的なグラベルを走れるもっと太いタイヤ。
つまり、グラベルタイヤを履いて走り回るため、グラベルロードを買う大義名分ができたというわけ。
しかし、今の時期、自転車は世界中で品薄。生産の目処がつかず納期未定というのも珍しくない。
グレイルについても、(出荷ではなく)受注開始が秋以降という状況。
そんな折、サイクルモードライドに行ったところ、一時期欲しいと思っていたグレイルが目の前に。サイズもぴったりなうえ、中古車のため価格も手頃だったので即決購入した。
CANYON GRAIL CF SL 2018
購入したのはキャニオンのグラベルロード グレイル CF SL(2018)。
TKC Productions のテースケ氏が乗っていた個体で、カスタムペイントが施されている。
フレームはベースグレードのCANYON CF SLフレームで、レイノルズのカーボンチューブレスホイール ATRを履く。
コンポは、GRX発表前の年式のためR8000系アルテグラ。機械式変速でフロントダブル。ギヤ比は50-34×11-34T。
もちろん油圧ディスクブレーキ。
不人気ゆえ廃盤になるロード用ディスクローターがついていた。
2階建てハンドル「ホバーバー」
グレイル最大の特徴が2階建てハンドル。
ホバーバーという名前のハンドルはその名の通り、上ハンドルを「浮かせる」ことで大きくしならせ、振動吸収性を飛躍的に高めている。
奇抜な形状だが使い勝手は通常のドロップハンドルと同等。トップチューブから一直線に繋がる見た目は、個人的に結構好き。
また、下ハンドルを握る時、ステムから伸びる梁の部分に親指を引っ掛けられる。
手とハンドルが大きな面積で接するので軽い力でしっかり握れる。
難点は、ステム一体型ハンドルゆえのポジション調整の難しさと、重量。そしてバーテープを巻くのが非常に面倒くさそうなことだろうか…
あとハンドルに丸断面が無いせいで各種アクセサリの取り付けに悩む。困ったな…
Panaracer Gravelking SS 700×38c
タイヤは速攻で履き替え。舗装路の転がりとグラベル走行どちらにも対応できるパナレーサー グラベルキングSS(セミスリック)の700×38cを履く。
グラベルキングSSは、センター部分は転がり抵抗の少ないスリックパターンだが、
バイクが傾くとサイドノブが接地し、オフロードでしっかり路面を掴む。
幅は悩んだが、最もバランスの取れた幅であろう38cを選択した。
太いほうが走破力は上がる反面、重量増加は免れない。また、フレームの都合で履ける最大幅は制限される。
4iiii Precision パワーメーターを取り付け
パワーの測定できないバイクには乗るモチベーションが湧かないので、パワーメーターは必須。
今回は、オフシーズンのシクロクロスから外した4iiiiパワーメーターを取り付けた。
軽くて安いパワーメーターの優等生。片側測定ゆえの精度の悪さはあるが、このバイクではFTP測定とかしないだろうし、これで十分。
ただしクリアランスがかなり厳しい。一応紙一枚分のクリアランスはありコピー用紙は入るが、厚紙は引っかかる…
軽く走ってみて
ロードバイクと比べると乗り心地は全然違う。タイヤの空気圧は3.5気圧にしたが、路面の振動も、段差の衝撃も良く抑えられている。
前日ワクチン接種して肩が若干痛いが、気にせず乗れるくらいの快適性があった。
ハンドリングはグラベルロードらしく安定志向。
旋回性重視のシクロクロスバイクと比べて、グレイルのホイールベースは長く、BBは低い。
シクロクロスレースで乗るリドレーX-Nightはかなり攻めたジオメトリで、ホイールベースが極端に短い。
X-Nightと比べるとグレイルのハンドリングは緩慢で、草地で8の時に走ってみると切れ込みが全然違う。その代わりに直進安定性は高く、グラベルを長時間走り続けても疲れにくそう。
とはいえ、シクロクロスのコースを走れないわけではない。上達するに従ってBBの低さが問題になるだろうが、シクロクロスレースに興味があってグラベルロードを持っているなら、タイヤだけ履き替えてエントリーしたら良いと思う。
動画
YouTubeチャンネルでファーストインプレッション動画を公開中。
この夏の探検に
昨年に引き続き、世界はコロナ禍の最中にある。オリンピックは開催中だしワクチン接種も順次行われているが、感染者数は増え、何度目かわからない緊急事態宣言が発令された。
自転車のレースやイベントも大きな影響を受け、延期・中止が相次いでいる状況で、今年もMTBのレースには参戦していない。
(あまり考えたくないが、シクロクロスシーズンがどうなるかもわからない)
その代わりに、今年の夏はグレイルでグラベルライドを楽しむことにする。