イネオス・グレナディアスのシリーズワークアウトから、カラパスの名を冠したメニューをピックアップ。
驚異的な登坂能力を持つリチャル・カラパスは、鋭いアタックの後、ハイペースで登坂しながら回復する能力を持っている。
このワークアウトではテンポ走に短いダッシュを織り交ぜたメニューをこなすことで、リカバリー能力を刺激することができる。
INEOS Grenadiers Virtual Training Camp > The Carapaz
https://whatsonzwift.com/workouts/ineos-grenadiers-virtual-training-camp/the-carapaz
メニュー
- アップ
- 50→75% 8分
- 2セット×(115% 30秒+55% 30秒)
- 55% 2分
- メインセット
- 4セット×(85% 3分+105% 30秒+120% 15秒)
- 55% 5分
- 4セット×(85% 3分+105% 30秒+120% 15秒)
- クールダウン
- 55→35% 5分
ワークアウトについて
東京オリンピックの男子ロードレース金メダリストであるリチャル・カラパス。
彼の脚質はクライマーで、卓越したパワーウェイトレシオはもちろん、回復力にも秀でている。
レース中は、ライバルを振り落とすためにアタックを繰り出したり、逆にペースアップに反応する場面がある。
これが平地なら、スピードが緩む場面で脚を休められるが、上り坂では脚を緩めるわけにはいかない。
したがって、ヒルクライムの負荷がかかった状態で回復する必要がある。
ペダリングによる身体への負担が回復力と釣り合うポイントがFTPとすると、それ以上のパワーでは急速に疲労が蓄積され、やがてパワーを維持できなくなる。
逆に、FTP以下では疲労を回復することができるが、パワーがFTPに近くなるほど「余裕」が少なく、回復が難しくなる。
余裕が無い中でうまく回復するには、無駄な力を使わない効率的なペダリングが鍵になる。
今回のメニューでは、
4セット×(85% 3分+105% 30秒+120% 15秒)
という15分間のブロックを、5分間のレストを挟んで2回行う
本メニューは、ダッシュ部分がL5 30秒+L6 15秒の2段階になっているのが特徴だが、最初30秒でパワーをコントロールできれば、残り15秒は勢いで踏み切れる。
「無酸素運動で溜まった疲労をFTPに近い強度でペダリングしながら回復する」能力は、自転車競技に取り組む上で非常に重要で、
高負荷下でのリカバリーにフォーカスしたワークアウトはZwiftでいくつも見つけることができる。
たとえば、SST付近の強度でペダリングしつつ、一定時間ごとにダッシュを織り交ぜる内容は、Sweetspot with Burstsに近い。
その中で、ローラーを回す時間があまり割けないならVaultがおすすめ。たった20分のメニューだがThe Carapazより高めの強度で、効果的なトレーニングを行える。
ワークアウト実走
そのままだとちょっとイージーだったので、ワークアウトのパーセンテージを上げて110%でチャレンジしたが、メインセットに入ってすぐに後悔した。
10%上げると、ブロック内のパワーは
94% 3分+116% 30秒+132% 15秒 (110%)
これはちょっと、リカバリーが追いつかない。
1ブロック目はなんとか乗り切ったが、オールアウト寸前だった。
強度を上げても完遂できなければ意味がないので、後半戦のブロックは強度105%で挑戦。
89% 3分+110% 30秒+126% 15秒 (105%)
ほぼSSTで踏みながらL5→L6ダッシュといった調子。
ブロック後半は心拍数がレッドゾーンに踏み込んだものの、なんとか完遂した。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。