全6本のワークアウトから構成されるZwift Academy 2021の締めくくり。
激しい無酸素ダッシュとFTPインターバルから構成されるメニューで、FTPを向上させ、より長時間発揮できるパフォーマンスを獲得する。
Zwift Academy 2021 > 6. FTP Boost
https://whatsonzwift.com/workouts/zwift-academy-2021/6-ftp-boost
メニュー
- アップ
- 50→80% 10分
- 80→95% 1分
- 55% 3分
- メインセット
- 3セット×
- 160% L6 30秒
- レスト 55% 1分
- 95% L4 4分
- 100% L4 3分
- レスト 55% 5分 ※セット間のみ
- 3セット×
- クールダウン
- 65→45% 5分
ワークアウトについて
30秒間の無酸素ダッシュを行い、筋肉中の乳酸濃度が高まった状態にした上でLT(乳酸閾値)強度のペダリングを行うメニュー。
このメニューのポイントは、激しいダッシュで脚を使った状態でLT走を行う、ということ。
乳酸は疲労物質ではないが、高強度の運動に伴う筋疲労の指標として血中乳酸濃度を用いることができる。
運動強度と乳酸の関係については別記事でも触れているが、
大まかに言って、運動強度と乳酸の関係は次のようになっている。
- 低強度→有酸素運動で乳酸を消費
- 高強度→無酸素運動で乳酸を生成
低強度では有酸素運動が、高強度では無酸素運動が主になるが、これらは常に同時並行で行われている。
乳酸の生成と消費が釣り合う領域を乳酸閾値(Lactate Threshold:LT)といい、この領域で出力できるパワーがFTPというわけ。
FTPはFunctional Threshold Powerの略。機能的作業閾値パワーなんて訳されるけど、意味がわからない。とりあえずは「1時間維持できる最大パワー」と説明されている。もう少し具体的に表現すると、FTPはLT(乳酸閾値:乳酸が血中に蓄積し始める運動強度)におけるパワーといえる。「ある程度の時間、継続して行える定格出力」と理解している。FTP以下のパワーであれば長時間継続して行えるが、FTPを越えると脚が削られていく(実際のところFTP維持もかなりキツいけど…)。
ZWIFTワークアウト FTP TEST (SHORTER) (45min 67TSS) ~FTPテストのペース配分のコツ~
さて、本メニューのメインセットは以下のような構成。
160% L6 30秒+レスト 1分+LT走 7分(95% 4分+100% 3分)
まずは30秒間の無酸素ダッシュで一気に脚に負荷をかける。
続く1分間のレストでは呼吸と心拍を整えることができる。しかし、この短時間では脚に溜まった乳酸は処理しきれない。
そして7分間のLT走へ。前半4分は95%なので、わずかだか脚を回復しながら走ることができる。
この間に自分のペースを取り戻せたなら、後半3分のFTP走も乗り切れる。
ワークアウトではこれを3セット行うが、セット間には5分の大休止があるため、脚と心拍は十分に回復できると思う。
実際のレースでは、アタックや短い上り坂など、短時間だが高負荷がかかるシチュエーションが頻繁にある。
ダッシュの直後はつい脚を休めたくなってしまうが、このワークアウトを行うことで、そういった状況でもハイペースを維持できるようになる…はず。
ワークアウト実走
Zwift Academy 2021のグループワークアウトに参加。
もうすっかり慣れた2段ランプアップでウォーミングアップ後、3分のレストを挟んでメインセットへ。
30秒ダッシュは勢いで踏む。心拍数は跳ね上がるが、続く1分のレストでだいぶ戻る。
息を整え、脚に若干の重さを感じながらLT走のセッションへ。
95% 4分+100% 3分のLT走はジワジワと脚に来るし、時間も長い。
残り時間をみるとさらにしんどくなるので、気を紛らわせながらペダルを回す。
最後の2分ほどは、乳酸濃度が上がってくるのかグッと辛くなる。
レストで脚と心拍、気持ちをリセットして、合計3セット。
ジワジワ系メニューが大半だったZwift Academy 2021の最終ワークアウトも無事に完遂した。
残すはトレーニングの成果を試すFinish Line Rideのみ。ジワジワ系メニューが大半だったが、FTPは少しは上がったのだろうか。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。