パナレーサーの新型ロードタイヤ AGILESTの発表からもう1ヶ月。AGILEST/LIGHT/DUROの3種を提供していただいたので、本来ならばガッツリ乗り込んで比較レビューをするべきなのだが、週末はレースやイベントが重なってなかなか乗れず、平日のロード練で走り込んでいた。
そうこうしているうちにCXシーズンが終わり、ようやく週末の予定が空いたので、耐パンク性重視のAGILEST DUROで130kmほど乗り込んできた。
Panaracer AGILEST DURO
Panaracer AGILESTの特徴を簡単に列挙すると
- 転がり抵抗の削減
- 軽量化
- 新ETRTO対応
クリンチャー版のスタンダードモデルである「AGILEST」は、ケーシングの耐パンクレイヤーをオミットし、トレッド直下のみ耐パンクベルトを備える構造にすることで、
軽量化を実現し、同時にタイヤのしなやかさも向上させている。
レース用途ではAGILESTを選んでおけば間違いないのだが、落石がある荒れた道を走る場合や、エンデュランス系イベントでトラブルのリスクを減らしたい時など、
「AGILEST」では耐パンク性に不安がある場合に備えて用意されたタイヤが、高耐久モデルの「AGILEST DURO」。
DUROは、従来のRace D Evo4に相当し、タイヤをサイドまで覆う耐パンクブレーカー「Tough & Flex Super Outer Shield」に加えて、トレッド部には「Pro Tite Belt」を採用。突き刺しパンクだけでなく、サイドカットへの耐性も高めている。
標準モデルに比べて30g程度の重量増となり、25cでの実測重量は221g。
170gのAGILEST LIGHTから履き替えると流石に重さを感じるが、25cタイヤとしては特に重い部類ではない。
山と海をどちらも味わえるコース
道の駅 愛彩ランド起点にアレンジしてあるが、以下のようなコースを設定。
泉南をぐるっと周り前半は山岳、後半は海沿いを楽しめるこのコースはお気に入りで、たまに走っている。
アプローチ
気温は10~15度、少し肌寒いが、日が射すと暖かい天気。夏用ジャージに、半袖インナー、薄手のアームカバーとレッグカバーで出発。
走り始めは寒いが、体が温まってくると丁度いいくらい。それでも寒いならウインドブレーカーを羽織るつもりで。
軽量コンパクトで、バックポケットに収納できるEXライト ウインドバイカー #1130413 を愛用。お守りなので、愛用というほど出番は無いけど…
序盤は、なるべく交通量と信号が少ない走りやすいルートを縫うように走る。
ルート選定のポイントは、旧道、狭路、山岳路。クルマでは走りにくい道を積極的に選ぶ。
さて、こういう道路はたいてい路面状況が良くない。
実はタイヤ交換時、AGILESTやAGILEST LIGHTと比べて硬いDUROのケーシングにネガティブな印象を持っていた。
「耐パンクレイヤーで分厚く硬いサイドはしなやかさに欠け、乗り心地が悪いのではないか」と。
実際はというと、AGILEST DUROは存外に乗り心地が良く、体重66kg 空気圧6.5barに設定して、弾かれるような感じもない。
前もって、50kmほどの練習コースを連日走ってLIGHTとDUROの比較をしたのだが、DUROはタイヤ自体の厚みで微振動を吸収しているのか、LIGHTと比べても乗り心地がマイルド。
JR山中渓駅
大阪府道/和歌山県道64号線で、府県境を隔てる和泉山脈を越える。
和泉山脈を横切る道路は何本もあるが、JR阪和線と阪和道が並走するr64が最も獲得標高が少なく、勾配も緩い(※ただし大阪側のみ)。
途中、JR山中渓(やまなかだに)駅の前を通ると、駅舎の建て替え工事が行われていた。
山越えの途中にある山中渓駅は大阪府内のJRの駅で最も乗客数が少なく、1日の利用者数は200人足らず。
ただ、春には桜並木が綺麗らしい。
JR阪和線の前身である阪和電気鉄道時代、1930年に建てられた駅舎の雰囲気が好きだったので、少し寂しく感じてしまう。
雄ノ山峠ダウンヒル
さて、山中渓駅前から、平均勾配3%の上りを4kmほどこなすとピーク。
ここから下り区間。下り始めてすぐはかなりの急勾配。
雪崩落ちるような連続S字のあと、ダイナミックな2連ヘアピン。
こういう道ではタイヤの絶対的なグリップだけでなく接地感が走りやすさ、ひいては安全に影響する。
AGILESTシリーズはどれも跳ねにくいのが特徴で、下りでもタイヤがしっかり路面に接してくれる実感がある。
タイヤが跳ねてグリップが安定しないと不安を感じて身体がこわばり、余計に走りにくくなるが、AGILESTは不意にグリップを失わない安心感があるので、身体をリラックスさせてバイクを倒していける。
以前使っていたRACE C EVO4 (26c)もかなり気に入っていたが、グリップ感はAGILESTのほうが上。
バイクの挙動を楽しんでいたら、あっという間に下りきっていた。
我慢の幹線道路
雄ノ山峠を下りきったら、和歌山県道7号線をひたすら西に進む。
ここは幹線道路で交通量も信号も多く、全く楽しくないし、道路脇の店舗に出入りする車に巻き込まれないよう神経を使う。
r7旧道から現道に合流してから、市街を抜けるまでの10kmほどはひたすら我慢の走りを強いられる。
あげパン屋さん
r7から逸れて、加太の淡嶋神社に向かう細い路地を走っていたら、数人の列ができているお店を発見。あげぱん屋さんのようだ。
キシモト商店
小腹も空いていたし、120円のさくら揚げパンをひとつ頂く。小振りながら、外はサクサク、中はふわふわで大変おいしかった。
加太港
路地を抜けると、淡嶋神社の鳥居の前に出る。三連休だし天気も良いしで、観光客で賑わっていた。
太平洋岸自転車道のモニュメントも、サイクリストに大人気。
だがここで記念撮影するのは素人。一応写真を撮ったが もっと良い感じの場所に移動。
Insta360 Go2を道路標識のポールに貼り付けて
こう!
リッターSSに乗ったバイカーが、海の写真を撮って、自撮りして、その場でSNSに投稿していたので、道路がクリアになるまで結構待った。
堤防に座ってぼーっとして、海の写真を撮って、自撮りして、その場でSNSに投稿していたが、時計を見ると午後4時半。あんまりゆっくりしていると日が暮れるので帰路につく…
大川峠のサイクリングロード
帰路は大阪湾沿いに走る。
まずは大川峠、大川トンネルという長いトンネルもあるが、危険だしつまらないので、旧道の大川峠へ。
大川峠は自動車通行止めだが、サイクリングロードとして整備されている。
かつては走り屋のメッカだったらしいが、トンネル完成を機に自動車・バイク通行止めになっていたらしい。
そりゃ、ここ攻めたら楽しいわ。自転車でも楽しいもん。
Insta360 Go2の録画が途中で止まってしまっていたので、見どころのダウンヒルは昨年7月訪問時の写真で勘弁願いたい…
レンガ造りの高架
海岸線沿いをなるべくトレースしつつ大阪湾を北上。
大阪府道752号線沿いの、南海本線 箱作駅と鳥取ノ荘駅の間にあるレンガ造りの高架をくぐると、一気に景色が開けて海が見える。最高。
煉瓦造りの高架をくぐったら眼の前に海が広がるんですよ。たまらねぇ。 pic.twitter.com/r40alAyaHx
— すくみずさん (@skmzmw) March 20, 2022
ここから海岸沿いに道路というか通路がある。路面はかなり悪いが、まぁロードでもなんとか走れる。
楽しいのはこのあたりまで。イオンモールりんくう泉南のあたりからはひたすら幹線道路で退屈。途中で日没し、最後はナイトランとなったが無事帰宅。
本日の記録
- 130km
- 4時間44分
- 258TSS
- 3380kJ
どれだけ食っても大丈夫だな!と、お気に入りのハンバーグ屋さんに行ったら休業していた。つらい。
タイヤの方は当然ノートラブル。
AGILEST、AGILEST LIGHT、AGILEST DUROの25cをそれぞれ150km前後使って来たが、いまのところ、スタンダードのAGILESTが一番かなーという印象。
LIGHTは踏み出しが軽いが、少しゴツゴツ感というか、振動吸収性の悪さを感じる。
もう一度25cのAGILESTを使ってみてDUROとの差を確かめてから、28cのAGILEST、そしてAGILEST TLRを試す予定。
…タイヤレビューでFTP上がりそう。