MTBのクロスカントリーレースでしばしばある、ハードな無酸素ダッシュから間髪入れずLT走に移行するシチュエーションを再現したワークアウト。
心肺能力と筋肉に大きな負荷が掛かった直後に高強度の有酸素運動を行うことで、乳酸耐性や高強度下での回復力を養う。
Singletrack Slayer > Week 5 > 3. Hard Starts #1
https://whatsonzwift.com/workouts/singletrack-slayer/week-5-3-hard-starts-1
メニュー
- アップ
- 45→70% 5分
- 2セット×(175% 10秒+50% 50秒)
- 50% 1分
- 80% 3分+50% 1分
- 109% 1分+50% 2分
- 100% 3分+50% 3分
- メインセット
- 3セット×
- 140% 30秒
- 105→91% 7分
- 55% 5分 ※セット間のみ
- 3セット×
- クールダウン
- 50% 5分
ワークアウトについて
一般的な無酸素インターバルトレーニングは、数10秒間頑張ったらレストで脚を回復させる。
これを何度も繰り返すことで目的のパワーゾーンにの滞留時間を稼ぐわけだが、実際のレースではこんなに都合よくON-OFFするシチュエーションは無い。
今回のメニューが想定するのは、無酸素ダッシュから休みなくLT走に移行するというシチュエーション。
MTBのクロスカントリーレースで、道幅が広い区間が終わり、追い抜きが難しいシングルトラックの上りが始まるような場所では、しばしば位置取り争いが勃発する。
シングルトラック内では前のほうが路面を見やすいし、ミスに巻き込まれることもない。
また、特に最終周回では、シングルトラックから先に出るとホームストレートで先行できる、すなわち、ゴール前の勝負が有利になる。
こういった走りで鍵となるのは乳酸耐性、つまり脚の疲労に耐えながらパワーを絞り出す能力、そして、高強度で脚を回復させる能力だ。
入念かつ複雑なウォーミングアップ手順を踏むが、メインセットはシンプルだ。
140% 30秒+105→91% 7分
5分間のレストで脚を十分回復させ、以上のセットを3回繰り返す。
無酸素ダッシュ後「休む」気持ちになってしまうとパワーを維持できない。あくまでも「少し緩めるだけ」ペダルを踏み続ける意識を持たねばならない。
7分のLT走は長いが、負荷は徐々に下がっていく。パワーがFTPの100%を下回ると、乳酸濃度が低下していくため、僅かではあるが余裕が感じられると思う。
類似メニューとしては、タイムトライアルを想定したDynamic TT Course Workなどがある。
ワークアウト実走
レースシーズン中、慢性的に疲れてきた体で完遂できるか、やや不安になりつつもチャレンジ。
ややこしいウォーミングアップを済ませてメインセットへ。30秒のダッシュ後、すぐさまLT走へ移行。
体が負荷に慣れていない1本目はやはりキツいが、LT走の後半になってくると少し余裕を感じたため、負荷を2%アップ。
5分のレストで十分回復した後、2本目。
2度目だし、体も戦闘モードに入っているため、今度は安定して踏めている。
ただ、負荷を2%上げたことで、LT走でFTPを下回るタイミングが遅くなる=苦しむ時間が伸びる。
たかだか5Wの負荷上昇は何でもないが、FTPを超過してペダルを踏む時間が長くなると、ぐっと辛くなる。
ラスト、3本目は高めのケイデンスを意識してみる。
LT走の前半3分は95rpm、後半は90rpm以上をターゲットにしてペダルを回す。
心拍は高くなるが、筋肉の負担は僅かに減る。ただ、ペダリングが乱れるとロスも大きくなる。
結果的にすんなり完遂できたが、それなりに辛いメニューだった。もしレース翌日にチャレンジしていたら、最後までもたなかったと思う。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。