途中で強度が変動するL5 1分+L4 2分のVO2MAXインターバル。高いトレーニング効果があり、有酸素運動の限界を押し上げる。
Zwift Academy Tri 2020 > 5. VO2max Long Intervals
https://whatsonzwift.com/workouts/zwift-academy-tri-2020/bike-5-vo2max-long-intervals
メニュー
- アップ
- 45→75% 10分
- 5セット×(98% 30秒+55% 30秒)
- 55% 2分 (90rpm)
- メインセット
- 6セット×
- 110% 1分
- 103% 2分
- 55% 3分 ※セット間のみ
- 6セット×
- クールダウン
- 75→55% 10分
ワークアウトについて
VO2MAXを刺激し、有酸素運動の限界を押し上げるL5~L4インターバルワークアウト。
メインセットは
L5 110% 1分+L4 103% 2分
3分のレストを挟み、これを6セット行う。
最初の1分間はVO2Max域でペダリング。有酸素系が活発に働くとともに、無酸素系も働き始める強度。
結果として、心拍数は上がり、脚には乳酸が蓄積される。
脚が重たくなったところで、2分間のL4走に突入。FTPより少し高いパワーでペダリングする。
ジワジワとダメージが蓄積され、心拍も上がっていくが、苦しみに耐えながらパワーを維持しなければならない。このメニューで一番キツいところだ。
AT(無酸素性作業閾値)
大変ざっくりとした言い方になるが、FTPより高いパワーだと乳酸が蓄積し、やがて強度を維持できなくなる(脚を使い切る)。
一方、FTPより低いパワーでは脚を回復させることができる。
有酸素運動と無酸素運動の境目というのは、サイクリングやマラソンなどの持久系スポーツで最重要とも言えるポイント。
この境目のことをAT(無酸素性作業閾値)というが、有酸素運動と無酸素運動を直接判定することはできないため、血中乳酸濃度や呼気中の酸素濃度から境目を推測する。
そのため、LT(乳酸閾値)、VT(換気性作業閾値)など、AT(無酸素性作業閾値)の指標となる様々な「閾値」がある。
自転車においてはもっと直接的に、「長時間継続できる限界パワー」としてFTP(機能的作業閾値パワー)が用いられることが多い。
これらは測り方が違う※ので、厳密には誤りだが、FTP≒LTパワー≒VTパワーと理解しておけば良い。
※ FTPは20分全力走のタイム×0.95で計算、LT(乳酸閾値)パワーは採血しながら運動強度を徐々に上げて測定する。
あと、VT(換気性作業閾値)は呼気の酸素濃度を用いて測定する。
パワーメーターの普及によって、実験室で採血したりガスマスクをつけて走ったりしなくても、手軽に有酸素運動能力を調べられるようになった。
しかも実走でも、レース中ですらパフォーマンスを記録できる。良い時代になった。
インターバル中の強度変化はトレーニング効果を高める?
ところで、VO2MAXインターバルの定番はThe Gorbyだが、本メニューはこれに比べるとだいぶ大人しい内容。
また、一定パワーでペダリングしつづけるGorbyに対し、VO2max Long Intervalsは途中でパワーが変化する。
ちゃんと調べてはいないのだが、強度を途中で変化させるほうが身体への刺激になり、トレーニング効果が高まるという研究結果があるそうだ。
少なくとも、単調なメニューよりも(過酷であることには変わりないが)精神的に楽ではある。
ワークアウト実走
100%だとだいぶ易しいので、指定パワー7%アップで挑戦。
ウォーミングアップでは30秒-30秒の軽いインターバルで脚を目覚めさせ、一休みしてからメインセットへ。
メインセットはL5 110% 1分+L4 103% 2分
最初1分は高回転で突っ込んで、続く2分はひたすら我慢のペダリング。
7%増しのため実際の強度は 118% 1分+110% 2分 となり、だいぶツラい。特に心拍数が上がりきっていない1セット目は一気に負荷がかかる。
こりゃ完遂は難しいかとも思ったが、2,3本目でイケそうな気がしてきたので続行。
だが、2日前に関西シクロクロス最終戦 桂川を走り、脚の疲労がまだ抜けていない状態。
最後2セットは心拍数もレッドゾーンに入ったが、根性で完遂した。
多分、完調ならもう少し余裕があると思う…
個人的な感覚だが、フィジカルパフォーマンス向上を目指すなら
- FTP以下で行う有酸素トレーニング
- 瞬発力や乳酸耐性を鍛える無酸素インターバル
- 有酸素と無酸素を行ったり来たりするVO2MAXインターバル
をバランス良く組み合わせるのが重要だと思っている。
本メニューは(無駄に強度を上げなければ)易しい部類なので、VO2MAXインターバルが苦手な人もとっつきやすいのではないだろうか。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。