ヒルクライムを想定したLT(乳酸閾値)メニュー。急勾配を想定した低ケイデンス高トルクセッションで脚を痛めつけ、蓄積されたダメージをペダリングしながら回復することで、勾配が変化するヒルクライムに対応する能力を養う。
Voxwomen Tour 2021 > Ella Harris – Climbing Power
https://whatsonzwift.com/workouts/voxwomen-tour-2021
メニュー
- アップ
- 60→90% 7分
- 55% 2分
- メインセット
- 3セット×
- 2セット×(95% 4分 (90rpm)+110% 1分 (60rpm))
- 55% 4分 (90rpm) ※セット間のみ
- 3セット×
- クールダウン
- 60→40% 5分
ワークアウトについて
「Voxwomen Tour 2021」は、女子プロレーサーのトレーニングキャンプをモデルにしたワークアウトシリーズ。今回取り上げるのは、Canyon SRAM Racing所属のElla Harris選手のヒルクライムメニュー「Climbing Power」
ヒルクライムでは、固定ローラーのように勾配が一定であることは稀であり、場所によって勾配がきつくなったり、緩くなったりする。
メインセットは
2セット×(95% 4分 (90rpm)+110% 1分 (60rpm))
4分のレストを挟んで、これを3回繰り返す。
このワークアウトは、勾配変化のあるヒルクライムをモデル化しており、FTPより少し低いパワーで淡々と踏む4分間のセクションと、高トルク低ケイデンスで急勾配を登る1分間のセクションが繰り返される。
低ケイデンスで急勾配を登ると、脚には大きなダメージが蓄積される。特に今回は60rpmでFTPの110%を出力しなければならない。
脚力だけではなく、腕でハンドルを引き付け、体幹で腰を固定しつつペダルを踏み込む必要がある。
4分のセクションでは90rpmという高めのケイデンスで脚を回復させるが、FTPよりやや低いくらいのパワーを維持する必要がある。
踏みながら回復するためには、無駄な力が入っていない、スムーズで効率的なペダリングが重要になってくる。
L4で脚を回復させるメニューといえばVaultだが、こちらがSST+バーストという構成なのに、「Climbing Power」はLT走をしながらペースを上下させるイメージ。
パワーを上げ下げする感覚はVO2 Over/Undersに近いだろうか。
ワークアウト実走
今回は負荷2%アップで挑戦。
ウォーミングアップは他のワークアウトに比べて指定パワーが高めで、ローラーに乗ってすぐワークアウトを始めると体に過大な負荷がかかるおそれがある。数分間でもいいので、軽く流してからメニューを始めるほうが良い。
メインセットは10分のブロックを3回。前述のように各ブロックは
95% 4分 (90rpm)+110% 1分 (60rpm)+95% 4分 (90rpm)+110% 1分 (60rpm)
今回は負荷を上げているので、それぞれ97%と112%になる。
ケイデンス指定がなければただのLT走だが、このメニューのキモは110% 1分 (60rpm)。
普通に走っていると常用することはない60rpmという低いケイデンス。激坂をよじ登る時のように、腕や体幹の筋肉も動員して重いペダルを踏みしめ、FTPを超えるパワーを絞り出す。
この直後すぐに(ブロックで2回目の)95% 4分 (90rpm)に移行するのがまたキツい。
LT走と筋トレを交互に繰り返しているかのような気持ちになる。
いきなり地獄を見た1ブロック目に比べると、体が暖まりストレスに順応した2ブロック目は若干ながら余裕があった。
ただ、最後の3ブロック目は脚のダメージが蓄積されておりギリギリだった。もしも4ブロック目があったら完遂できなかったかもしれない。
ところで、筋トレで思い出したが、ZwiftにはTractor Pullsというバカみたいなメニューがある。こちらは200% 30秒(50rpm)を12本という強烈な内容なので、是非やってみてほしい。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。