「Novanta」(イタリア語で「90」)という名前の通り、L3(テンポ)とL4(LT)の境目、FTPの90%で踏み続けるSSTトレーニング。
一定出力で合計40分踏み続ける辛いトレーニングだが、緩急がつけられたケイデンス指定が退屈さを多少紛らわせてくれる。
Build Me Up > Week 3 > Novanta
https://whatsonzwift.com/workouts/build-me-up/week-3-novanta
メニュー
- アップ
- 25→75% 7分
- 95% 30秒 (95rpm)+50% 30秒 (85rpm)
- 105% 30秒 (105rpm)+50% 30秒 (85rpm)
- 115% 30秒 (115rpm)+50% 30秒 (85rpm)
- 50% 2分 (85rpm)
- メインセット
- 4セット×(90% 4分 (90rpm)+90% 1分 (65rpm))
- レスト 55% 3分 (85rpm)
- 90% 5分 (90rpm)
- 5セット×(90% 1分 (100rpm)+90% 1分 (70rpm))
- 90% 5分 (90rpm)
- クールダウン
- 55→25% 5分
ワークアウトについて
数あるZwiftワークアウトの中でも、SSTすなわちスウィートスポットトレーニングは人気のメニューだ。
自転車の走力のベースとなるのは有酸素運動能力だが、これを鍛える方法はシンプルだ。すなわち、筋肉を鍛えるため筋トレをするように、有酸素運動を鍛えるには有酸素運動を行えばよい。
ただ、その具体的な方法はいろいろある。
ロードバイクトレーニングについて触れられた本や雑誌を読むと、会話ができるくらいの低負荷(L2:FTPの60~75%)で何時間も走るLSD(Long Slow Distance)がおすすめされていることがある。
ただ、これは楽にこなせるかわりに効率が悪い。そのため、何時間も走り続けないと効果が現れない。
逆に、FTP走やVO2MAXインターバルで有酸素系を限界近くまで酷使する方法もある。時間あたりの効率は非常に高い(なんせ有酸素系フル回転だ)が、この強度では無酸素運動も同時に行われるため、長時間トレーニングを続けることが難しい。
また、心肺機能、筋肉、関節にも大きな負担がかかるため、高強度な走り方に慣れていない人がいきなり行うと故障の原因にもなりうる。
(なお私はほぼ毎日自転車に乗るし、日常的にレースに出ていて高負荷に対応する身体ができているので、短時間で終わって効果が高い高負荷トレーニングを好んで行う。)
まとめると、低強度有酸素トレーニングは効率が悪く、高強度有酸素トレーニングは身体へのダメージが大きく、長時間続けられない。
じゃあ、トレーニング効率と負荷のバランスが取れた強度はどこか?それがFTPの90%付近:スイートスポットだ。
SSTすなわちSweet Spot Trainingは、練習強度と持続時間がバランスする「スイートスポット」で踏むことで、体への負担を抑えつつ効率的に有酸素運動能力を押し上げるというものだ。
SSTすなわちSweet Spot Trainingは、練習強度と持続時間がバランスするL3とL4の境目=スイートスポットで踏むベーストレーニング。言い方を変えると、長時間継続できる限界の運動強度。体への負担を抑えつつ効率的に有酸素運動能力を押し上げる。
さて、今回のメニュー「Novanta」(イタリア語で90)は、その名の通りFTPの90%でペダルを回し続けるSSTだ。
メインセットは2×20分、合計40分にも及ぶ。
一定パワーで踏み続けるのは単調で、精神的にかなりの苦痛を伴うが、ケイデンス指定によってリズムに変化がつくため、多少は気が紛れる。
第1ブロックは
4セット×(90% 4分 (90rpm)+90% 1分 (65rpm))
第2ブロックは
90% 5分 (90rpm)+5セット×(90% 1分 (100rpm)+90% 1分 (70rpm))+90% 5分 (90rpm)
という内容になっている。低ケイデンスのときは高いトルクが必要で脚に疲労が貯まるが、ハイケイデンスで回し続けるのもしんどいので、良い気分転換になっている。
ワークアウト実走
5%上げて、負荷105%でチャレンジ。90%→約95%で踏み続けることになる。
とはいえ、最近FTPテスト(Ramp Test)をしたら調子が出ず、FTPがちょっと下がったので、本来のFTPからすると見た目より低めの負荷のはず。
本当にFTPが落ちた可能性も否めないが
20分のSSTブロックはひたすらに苦痛。痛みに声を上げ転がりまわるような苦しみではなく、炎天下で立ち続けるような、そういう類のジワジワくる苦しさ。
ケイデンス変化があるとはいえ、一定ペースで退屈でもある。
ブロック間のレストはわずか3分だが、砂漠の中のオアシスのような一瞬の癒やしが得られた(砂漠を彷徨った経験はないけど)。
直後、また砂漠に放り出されて20分のSST。後半戦は中央の10分間が 1分100rpm-1分70rpmという構成になっていたので、細かく時間を刻んで気を紛らわせることができた。
SSTって本当に身体に優しいんだろうか。少なくとも、精神はかなり消耗すると思う。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。