2/5 関西シクロクロス第10戦 桂川

今シーズンの関西シクロクロスも最終戦。今年の桂川は完全なドライコンディション。コース全体を通して、地脚の強さが勝敗を決するパワーコースとなった。
レースは村田さんとパックに。互いにペースアップを仕掛け、ライバルを振り落としに掛かるものの決定打にならず、5位争いのゴールスプリントにもつれ込んだ。

2/5 関西シクロクロス第10戦 桂川

コースコンディション:晴れ、ドライ、グラウンド、草地(枯れ)

リザルト:5位/72名(10周回 +4:18 順位6% フルラップ完走20名)

機材

Ridley X-Night Disc 2号車

  • 前輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.5bar
  • 後輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.5bar

※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準

動画

すくみずログ YouTubeチャンネルでレース動画を公開中

関西シクロクロス総合ランキング

最終戦の桂川の結果で、関西シクロクロス10戦の総合ランキングが決定される。

9戦終了時のランキングは以下の通り。

2022-23シーズン 第9戦終了時暫定ランキング

  • 1位:堀川滉太 | NEBcycling | 1010点
  • 2位:村田憲治 | 岩井商会レーシング | 922点
  • 3位:柚木伸元 | 朝明高校 | 800点
  • 4位:斉藤和哉 | シルクロード | 718点
  • 5位:川村誠 | チーム36隊 | 624点
  • 6位:笛木睦紘 | 北山杉レーシング/明雅屋 | 618点
  • 7位:藤田耕志 | RINGO ROAD | 526点
  • 8位:腰山雅大 | All-City Cycles / 662CCC | 505点
  • 9位:藤川正人 | 岩井商会レーシング | 488点
  • 10位:竹之内悠 | Cinelli – Vision | 470点

関西シクロクロスブログより ※灰字は第10戦に出走しない選手

1,2位はほぼ確定。3位は世界選手権に出場中のシンゲンか、あるいは斉藤さんが逆転するか(6位以上で3位浮上)。

不参加が1回、DNFが1回、おまけにシーズン中盤から精彩を欠いた私はランキング5位。4位の斉藤さんとのポイント差は94点で逆転は難しい状況だ。
逆に6位の笛木くんとの差はわずか6ポイントで、桂川の着順でひっくり返る。

なので、桂川の目標は、まずは笛木くんとのKUCC対決に勝利すること。
そして(ランキングには影響しないが)総合上位の選手に一矢報いることだ。特に、関西CX第3戦以降負け続けている村田さんには勝ちたい

レース会場

関西シクロクロス 第10戦の会場は京都市南区にある桂川緑地久我橋東詰公園。関西シクロクロスシリーズ戦において、開催される会場の順番は毎年変わるのだが、「千秋楽と言えば桂川」というイメージが強い。

コースは桂川の河川敷に設営された細長いレイアウトで、前半と後半で大きく雰囲気が異なる。

前半のグラウンド区間はハードパックな平坦路でスピードが出る。
ピットを通過後のコース後半は、キャンバーの上り下りを繰り返す。

このキャンバー区間は、雨が降るとスリッピーな泥コンディションになるが、今年は完全なドライ。試走してもバイクに泥はつかず、むしろ砂埃で汚れるような状態。
バイクコントロールテクニックよりむしろ、登りでしっかり踏むインターバル耐性が重要となる。
また、この区間の路面は凸凹があり、バイクが跳ねて進まない。バイクセッティングや乗り方で、特にレース後半の疲労度が変わってくる。

関西シクロクロス

試走とセッティング

今回、土曜日に固定ギヤシクロクロスのレース「Tracklocross」が開催されるため、試走時間が早い(13:30-15:00)。
…のだが、例によって出発が遅れて、14時過ぎに会場着。優雅にマクド食ってる場合じゃなかった。

急いで準備して、適当に空気圧を合わせてコースイン。
第一印象は「イージーなパワーコース」。路面のグリップが良いので、グラウンド区間、土手の上り、凸凹の路面、ほぼすべての区間でパワーが必要とされる。

コース前半のグラウンド区間では踏みながら回復し、後半でハードなインターバルを繰り返す、といった感じ。
凸凹の路面はギヤを1~2段重くして、低ケイデンス・高トルクなペダリングをすると尻が跳ねにくい

最近、低ケイデンス縛りのZwiftワークアウトをやっておいてよかった。

2箇所ある階段は、その気になればどちらも脇を乗車できるが、乗ったほうが速いとは限らない。
試走で検証してみたところ、1つ目は乗車したほうが再加速がスムーズだった。2つ目は進入でかなり無理なラインを取る必要があるため、大人しく降車することにした。

ヤスリ目のスリックタイヤでも走れそうな路面なので、タイヤは迷うことなくCGCX
空気圧に関しては、パンクしやすそうな場所もないので、衝撃吸収を最優先として前後1.5barに設定した。

ただ、階段を乗車しようとしてパンクしてる人は結構多かった。

天気は良く、2月としてはかなり暖かい。
風は冷たいが、レース中の防寒はほとんど考えなくて良いので、ウエアはメッシュインナーにワンピース。
汗をかきそうなので、多めに水分をとっておく。

いつも通りにウォーミングアップをこなし、いつも通り、時間ギリギリに招集地点へ。
ゼッケンは4番。今シーズンも全戦フロントローに並ぶことができた。

レースレポート

マリオの号砲でスタート。長いホームストレートをクリテリウムさながらに加速していく。
桂川には、先週の東海シクロクロス第5戦/JCXで優勝したおりょうこと竹内遼選手と、2020年全日本CX U23でタイトル獲得経験を持つ鈴木来人選手が参戦。1コーナーはおりょう、鈴木選手、滉太、あたるちゃん、村田さんの順。続いて私が6番手。背後には斉藤さん。

Photo マルコマルオ

1周目は先頭が見える位置で走っていたが、最終コーナー直後に急加速。これに反応できず遅れてしまう。

先頭パックがおりょう、鈴木選手、滉太。5~6秒離れて、あたるちゃんと村田さんの4位パック。さらに5秒遅れて私と斉藤さん。スピードが乗るグラウンド区間での5秒はとてつもなく遠く感じる。

しかし、先頭3名が離れることで4位パックのペースが緩む可能性がある。まだレースは序盤、脚もフレッシュなので、追撃を緩めず踏み続ける。
すると、あたるちゃんから遅れ始めた村田さんを捕まえた。

ひとまず3名でパックを形成したが、3周目で斉藤さんが脱落。5位パックは村田さんとの2名になった。

Photo マルコマルオ

関西CXのC1で表彰台圏内を走るようになって数年になるが、村田さんはずっと私のライバルであり続けてきた。
しかし、今季は第2戦 富田林を除いて負け続き。たとえ総合ランキングが覆らなくても、今日は勝ち星が欲しい。

Photo 野中ヒデト

6周目に勝負を掛ける。キャンバー区間の上りや路面が荒れた箇所でガンガン踏んでいく。しかし、村田さんは背後にピッタリ張り付いている。振り切れない。

レースは10周回。このまま踏んでも無駄に消耗するだけなので、7~8周目は一旦ペースを落として回復。最終決戦に備える。

Photo マルコマルオ

9周目に入った直後、ホームストレートで村田さんが前に出てペースアップ。ピットエリアを過ぎて、キャンバー区間に入っても勢いは衰えない。
コース最北端の折り返し手前で少しだけスピードが緩んだので、ここで前に出てカウンター。
振り切れるなんて思っていない。だが、脚を削ってやる。

そして最終周回。ずっとパックの前で走って、そのまま先着するプラン。
序盤のグラウンド区間は無駄引きしないよう、抑えめのペース。だが、加速はしっかり踏む。

パックの前を走っている時はなるべく隠してたけど、コース試走時に開拓しておいた「本気ライン」も全部使う(もっとも、村田さんも気づいてたけど)。

呼吸を整え、復路ピットを過ぎたらペダルを踏み込み、狙い通りに最終コーナーで先行。ホームストレートを全力全開で立ち上がる。
コントロールライン手前で並び、揃ってハンドル投げ。僅かに先行して5位フィニッシュ。

Photo 野中ヒデト

レースを振り返って

パックでの緊張感、ペースアップの応酬、そしてゴールスプリント勝負。
関西CX最終戦で、そして、私にとってはシクロクロス初出場の会場でもある桂川で、納得の行く良いレースができた。

Photo マルコマルオ

今季は序盤こそ悪くなかったが、11月以降成績を落としたり、年明けに怪我をしたりと、あまり良いところのないシーズンだった。
全日本CX シングルスピード優勝もしていたが、メインの主戦場である関西CXでライバルに勝利したことで、ようやく復調を実感できた

関西CXの総合ランキング5位も守りきれた。

まだ数レース出場予定だが、「関西シクロクロス」としてのシーズンはこれで終了。
総合表彰を終えて集合写真を撮っていると、毎週末の苦しみから解放されたようで、でも少し寂しいような、なんとも言えない気持ちになる。

応援・撮影・サポート、そして、滞りなくレースを運営してくれた皆様と、同じレースを走ってくれたライバルたちへ。今シーズンもありがとうございました。

Photo マルコマルオ