3年ぶりにシマノバイカーズフェスティバルが開催された。
今回はチーム耐久のほかに、「グラベルレース部門」ことドロップハンドル90分耐久ソロに出走。
終盤まで表彰台圏内をキープしていたが、最後の最後、ゴールまであと100m少々というところで大転倒。幸い怪我はなかったが機材をあれこれ壊した挙げ句、表彰台を逃して泣いたのであった。
7/30 第30回シマノバイカーズフェスティバル ドロップハンドル90分エンデュランス ソロ
コースコンディション:草・土、ドライ
リザルト:4位/60名(41周回 -1Lap)
機材
CANYON GRAIL CF SL
- 前輪: Mavic Allroad SL / Panaracer Gravelking SK 43c / 2.2bar
- 後輪: Mavic Allroad SL / Panaracer Gravelking SK 43c / 2.3bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
動画
すくみずログ YouTubeチャンネルでレース動画を公開中
3年ぶりのシマノバイカーズフェスティバル
毎年夏に、富士見パノラマで開催されるシマノバイカーズフェスティバルは、シマノ鈴鹿ロードレースと並ぶシマノの2大イベントだ。
2020年、2021年はコロナウイルス感染拡大のため中止となったが、今年は3年ぶりに大会が開催されることになった。
今年は、所属する「チーム36隊」の隊長を勝たせるべく、土曜日の4時間チーム耐久と日曜日の2時間チーム耐久にエントリー。
せっかくなので個人種目もなにか走るか…と思い、今年からグラベルレース部門、ドロップハンドル90分エンデュランスにソロエントリーした。
土曜日の午前中にドロップハンドル90分耐久、その直後に4時間耐久、そして翌日午前中に2時間チーム耐久というタイムスケジュールとなる。
ソロ移動のため、金曜夜26時半に大阪の自宅を出発。ガラガラの高速道路をスイスイ快走し、土曜朝6時半頃に会場入りした。
時間に余裕があったのでMTBでコース試走。全長1km少々のレイアウトで、ゲレンデの上りと林間の下り区間で構成される。下りの途中はバームを繋ぐような区間となっており、ここでは追い抜きが難しい。上り区間で頑張っておかないと前に引っかかりそうだ。
グラベルレースはこのコースをショートカットし、より単調なレイアウトになる。
また、ゲレンデの上り区間途中にショートカットエリアが設定され、おみくじを引いて当たると近道ができる。
ドロップハンドル90分耐久ソロ
真夏のレース、しかも90分の長丁場なので、補給はボトル2本とジェル2本を用意。ただ、コースレイアウトを見る限り、ゆっくりジェルを吸う余裕はなさそう。
バイクのほうは、せっかくのグラベルレースなので、グラベルロードであるキャニオン グレイルを持ってきた。
レースに合わせて、タイヤはセンタースリックのパナレーサー グラベルキングSS 38cから、よりノブが立った同社グラベルキングSK 43cに交換した。
試しにグラベルを走ったところ、グリップ向上はもちろん、エアボリュームが増大し乗り心地がかなり良くなっていた。
もちろんチューブレス運用で、空気圧は前2.2/後ろ2.3barにセットした。
今回のレースはルマン式スタート。ピットエリアにバイクを並べて待機する。
号砲と同時にいっせいに本コースをダッシュ。1コーナーを周り、ピットロードに置いた自分のバイクに飛び乗ってコースインする。
思ったよりラン区間が長かったが、1周目は3番手くらいに位置取る。
レースは90分もあるので最初はペースを上げたくない。引き離そうとせずに、周りをチェックしながら走行。
やがて、コース前半の上り区間途中にて、ショートカットのゲートが開き、おみくじが始まる。
一旦止まって割り箸くじを引く必要があるためタイムロスになると思っていたが、どうやら当選確率はかなり高いようだ。
馬鹿正直に正規コースを走っているうちに、くじを引いた他の上位陣に追い抜かれてしまった。
ショートカットゲートは時間限定で開くようで、気づいた頃には終わってしまっていた。
2回目のショートカットタイムには3連続で当たりを引き、(多分)トップに躍り出る。
ただ、このショートカットはレースの戦略性をスポイルしているように感じられた。
アタリを引いたら近道が出来て、ハズレでも本来のコースを走るだけでよく、特にペナルティは無い。
アタリとハズレでタイム差は20秒ほどつくので、前後の選手と簡単にポジションが入れ替わってしまう。
今回のコースは全長790m。トップ選手は1周2分ちょっとで周回するため、ショートカットおみくじに何周もチャレンジできる。運だけで、頑張りでは覆せない差がついてしまう。ショートカットを利用できる回数はもっと制限したほうがよかったと思う。
さてレース中盤。ここまではずっとブラケットを握って走っていたが、林間セクションの振動で手のひらに水ぶくれができ始めた。
痛いので下ハンを持つようにする。キャニオン グレイルの特徴的なハンドルは親指が引っかかるので、ハンドルをしっかり保持できる。
補給も問題のひとつだった。コース前半の上りは全開で踏むし、後半の下り区間はガタガタで手を離せない。そのため、遅い選手に詰まったタイミングでドリンクを飲むようにしていた。
昨年の全日本CXマスターズ50-59チャンピオン 大原さんのように、ハイドレーションを背負うのもひとつの手だったかもしれない。
さて、3回目のおみくじタイムでは引きが悪くポジションを落としたものの、残り時間はわずか。淡々と走り続け、3番手で最終ラップに入る。
前は射程圏内、後ろの村田さんには数10秒の差がついていた状態。林間からゲレンデに出る登り返しにスピードを乗せて入った瞬間、コントロールを失った。
浮き砂利に前輪をすくわれたのだろうが、どういう転び方をしたのかわからない。落としたアイウェアを拾い上げると、フレームがポッキリ割れていた。
しばし放心していたものの、体に痛いところはないし、バイクもチェーンが外れたくらいで、一見して壊れていないようなので、そのまま惰性で下ってゴール。
このトラブルで順位を落とし、表彰台から脱落。4位フィニッシュとなった。
ひとコケ10万円
レースの方は、最後の最後でクラッシュ、表彰台を逃すという残念な結果となった。
最後の最後で力んでしまったこと、何より、GoProのバッテリー切れで転倒時のオンボード動画が撮れていなかったことが悔やまれる。
落ち着いたところで壊したモノのチェック。
幸い、体の方にはかすり傷ひとつ無かったが、代わりに衝撃を受けたヘルメットを見ると後頭部がぐしゃりと潰れていた。
ということで壊しモノその1は、OGK KABUTO VOLZZA。立派に役目を果たして殉職した…
一緒に映っているアイウェアが壊しモノその2。蝶番の部分が割れてしまっている。テンプルはどこかに飛んでいって行方不明。
レンズは見たところ損傷が無い。ハイカーブの度付きレンズはフレームより高価なので、無事だったらいいんだけど…
さて、ここまでなら良かったが、レース後バイクに乗ると、どうにもペダリングに違和感がある。そして、デカいものを壊していたことに気づく。
というわけで壊しモノその3。Infocrankのパワーメータークランク。
パッと見ではどうということはないが、タイルの目地にバイクの向きを合わせると、左クランクアームが変形し、ペダル軸が傾いていることがわかる。
変形の具合から想像すると、転倒時に路面にぶつけたのだろうか。
Infocrankのクランクアーム先端部はコの字断面になっているため強度が低いのかもしれない。
ヘルメット、アイウェア、そしてクランクを壊し、被害総額は10万円といったところ。でも、骨折でもして自転車に乗れなくなるよりはだいぶマシか…
なお、傷心のままMTBに乗り換えて出場した4時間チーム耐久と翌日の2時間チーム耐久は無事に優勝を果たした。
チーム耐久の優勝賞品はヘルメットだった。