レースレポート

パナレーサー ニセコグラベル スプリングライド 2024 ~全線グラベル17kmのタイム計測区間も設定 新たな可能性を感じたグラベルライドイベント~

毎年5月と9月に開催される日本最大のグラベルイベント「パナレーサー ニセコグラベル」にて、北海道の極上グラベルを味わってきた。
春秋合わせて5度目の参加だったが、今回は新たな試みもあり、これからの可能性を感じるイベントだった。

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5月開催 春のニセコグラベル

ニセコ中央倉庫群

今回、大会本部やスタート・ゴールが設置されるのは、JRニセコ駅前のニセコ中央倉庫群。ニセコグラベルで初めて使われる会場だ。

寒さに耐える石造りの倉庫は昭和6年に造られ、野菜貯蔵庫として長年使われていたらしい。
隣の敷地には温泉もあり、ライドイベント開催にはうってつけだ。
強いて言えば、参加者駐車場まで700m~2kmと少し遠いのが難点だろうか。

2種類のコース

例年のニセコグラベルは9月オータムライドがメインで、5月のスプリングライドはテストイベント的な立ち位置だった。
そのため春はコースも50km前後の設定だったのだが、今回は大幅にボリュームアップ。60kmのショートと、100kmのロングの2種類から選べるようになった。

ショートコースロングコース
距離約60km約100km
グラベル割合約40%約45%
獲得標高約1,000m約1,700m
走行時間2.5-5時間3-6時間
エイド箇所2箇所3箇所
タイムセクション※なし一部区間あり
スタート時間10:009:00
制限時間16:0016:00

昨年のオータムライドと距離・獲得標高を比較すると、ロングコースとエクストラロングコースの中間的な設定だ。

ニセコグラベル オータムライド 2023

  • ミドルコース:距離60km 獲得標高1083m グラベル率42%
  • ロングコース:距離89.9km 獲得標高1557m グラベル率51%
  • エクストラロングコース:距離122.5km 獲得標高2366m グラベル率58%

とはいえ、グラベル率はやや低めで、見た目の印象よりは走りやすいはず。

タイム計測区間

スプリングライド2024の新たな試みとして、ロングコースにはタイム計測区間が設定された。

全長17kmのグラベル区間でタイムを計測し、上位者には表彰もあるという。この区間だけはちょっと頑張ってみよう。

3泊4日の北海道旅行

走り尽くせ食い尽くせ

今回も、金曜~月曜で3泊4日の旅程を組んだ。

5/10(金)大阪→新千歳 札幌泊
5/11(土)レンタカーで札幌→ニセコ ニセコ泊
5/12(日)ニセコグラベル当日 ライド後、札幌まで移動 札幌泊
5/13(月)新千歳→大阪

新千歳空港からニセコまでの移動は、レンタカーで2時間、電車だと3時間半以上かかるため、前泊は必須。ゴール時間を考えると、後泊も必要だろう。
例えば4時フィニッシュ、5時撤収としても、空港着は7時以降。最終の飛行機に間に合うかどうか微妙な時間だ。

したがって、最短だと土曜~月曜の3日間コース。ただ、せっかく北海道に行くんだから現地のグルメを楽しみたい。いっぱい食べたい。ということで、いつも金曜からの4日間滞在している。
航空券は平日のほうが安いので、安宿なら宿泊費がほぼ相殺できたりするし…

今回も、海鮮、ジンギスカン、スープカレー、セコマのホットシェフに鳥ザンギ、と、北のグルメを味わい尽くした。

タウンエースに3人3台

ニセコまでの移動はレンタカーを利用。今回は3人3台なので、トヨタ・タウンエースを借りた。

グラベルバイクなら、前輪を外すだけで積み込める。手荷物は後部座席のほか、荷室の空いたスペースも置ける。運転もしやすいし、3人ならこれがベストだと思う。

バイクの前後輪を外せば4台入るだろうけど、4人4台ならハイエースを借りるほうが無難だ。

定番のコクーン飛行機輪行

輪行はいつもどおり、タイオガ・コクーンで。国内線でフルサービスキャリアを利用するなら、これで十分だ。
大柄なバイクケースと違い、空港から自走することもできる。
なお今回も新千歳空港~札幌市内の50kmは(往復とも)自走した。

グラベルバイクはハンドル幅が広いうえ前後に長いので、MTB用の29erコクーンがおすすめ。こちらのほうが生地も分厚く丈夫だ。

最新バイクと最新タイヤ

バイクはキャニオンジャパン様からお借りした、新型グレイル CF SLX。
コンポーネントはSRAM Force eTap AXS XPLR。ホイールはZIPP 303 Firecrestを履く。

ラインナップ上はセカンドグレードだが、グラベルレース機材に出て勝てる、文句なしのパーツ構成だ。完成車価格は70万円ほどだが、相変わらずキャニオンはコストパフォーマンスが頭一つ抜けている。

タイヤはこれまた最新のパナレーサー グラベルキング X1 R。タイヤ幅は40mmのものを使用する。
新型トレッドの「X1」はサイドノブがしっかりしているので、タイム計測区間のコーナーをしっかり攻めていける。
センター付近は路面抵抗を抑えるデザインなので、舗装路区間で転がりに不満を覚えることも無いだろう。

100kmのロングコースをライド

今回ニセコグラベルを一緒に走るメンバーは全員シクロクロッサー。
2022秋2023春に一緒に走ったSKP氏、さらに初参加のまがろり氏と3名でロングコースを走る。

スタート

ロングコース参加者は朝9時にスタート。ニセコ中央倉庫群を離れ、序盤はしばらく舗装路を進む。
気温は19度ほどあるようで、暑くもなく寒くもなくちょうど良い具合。

少し細い道に入ると時折舗装が途切れ、グラベルが現れる。
路面状況はよく、日々の暮らしに使われている道路であることがわかる。

タイム計測区間(20km地点)

昆布川沿いに道道32号線を進み、スタートから20kmほどで蘭越川上道有林に入る。ここから17kmにわたる林道がタイム計測区間。スペシャルステージだ。

ジェルを補給し、呼吸を整えてから計測ラインを通過する。

そしていきなり現れる渡渉。冷たい雪解け水を巻き上げながら突破する。
舗装され、洗い越しのようになっている場所もあれば、石がゴロゴロしている場所もあった。

序盤は標高差150mを登って、下って、まだ登る。上り区間はFTP付近で踏みつつ、下りは適度にマージンを取る。こんなところで転びたくない…

後半は山の斜面をトラバースするような、細かいアップダウンが連続する区間。下りの勢いを乗せて登り返したいが、ちょうど谷の部分に川が流れていることがあり失速する。
こういった渡渉は10箇所くらいあったように思う。

森を抜けて、視界が開けたらゴールはすぐそこ。GoProを落とすトラブルもあったがすぐにリカバーし(カメラは無傷だった)53分32秒でフィニッシュ。一番乗りだった。

給水所で一休みしながらSKPさん、まがろりさんが来るのを待ち、メンバーが揃ってから再出発した。

豊浦旧上泉小学校エイド(48km地点)

計測終了地点より10kmちょっと走ると豊浦旧上泉小学校エイドに到着。
ここではホタテ汁とイチゴが振る舞われる。

スタートからの距離は48km、獲得標高は1000mほど。
ロングコースは102km 1700mアップなので、距離的には折り返し地点。上りは3分の2くらいやっつけたことになる。

ホタテ汁とイチゴを味わい、再スタートするとほどなくグラベルに入る。最初100mほど標高を稼いだ後は、大きなアップダウンが無いゴキゲンなダブルトラックが続く。

もう無いと思っていたのに、1箇所だけ渡渉ポイントがあった。濡れたシューズがせっかく乾いてきていたのに。

舗装路に出て、ほとんど交通量のない快走路を走っていたら「100m先 砂利道」の看板が。
どういうことかと思っていると、突然道が無くなっていた。

しかもこのグラベル「新富上里線」の脇には「道道914号」というヘキサがあった。
未舗装区間は2kmほどだったが、知らずに車で来たら面食らうと思う。

道の駅まっかりフラワーセンター エイド(75km地点)

舗装路基調で数km走ると、最後のエイドステーション「道の駅まっかりフラワーセンター」に到着。
ここでは、ゆりねコロッケをいただける。ちょうど揚げたてのコロッケはサクサク・ホクホクで絶品だった。

ゴールまであと25km。エイドを出るとまず200m登る。今回のコース最後の上り区間だ。
ピークからは急勾配でスピードが乗るグラベル。気持ちよくかっ飛ばすが、路面が侵食されている部分があって要注意。

そろそろヤバいな…と思っていた矢先、轍に落ちたまがろりさん、SKPさんが落車。
まがろりさんは結構派手にイッたようだが、幸い?擦過傷だけで済んだ。SKPさんはうまく速度を殺して茂みに突っ込んだので立ち転け程度だったようだ。

ハンドルがずれたバイクを直していると、後続の参加者も同じ場所で転んでいた。魔の轍だ。

落ち着いてから走り出す。
羊蹄山にだいぶ雲がかかって、どんよりしてきたな…と思っていると、残り10kmほどでついに雨が降り出した

最初はポツポツ小雨が散る程度で、牧場のダチョウを眺めている余裕もあったのだが、羊蹄山がどんどん雲に覆われていって、ついには全く見えなくなった。

ラスト5kmは、小雨の中走行。寒くないのがせめてもの救いか…

スタート地点付近の黄色い橋が見え、一同歓喜の声を挙げる。

14時45分頃ゴール。無事に帰ってこれてよかった。

距離 102km
獲得標高 1874m
走行時間 4時間15分25秒
243TSS
2813kJ

100kmのロングコースだったが、過去に走ったオータムライドと比べてグラベル率が低いため、覚悟していたよりはサクサク走りきれた

洗車場でバイクを洗った後撤収。温泉に入り、札幌に戻ってジンギスカンをたらふく味わったのであった。

ニセコグラベル2.0へ向けた試み

今年のスプリングライドも、「春のニセコグラベル」らしい、新たな試みがいくつかあった。

まずはタイム計測区間の設定。今までのニセコグラベルは、グラベルライドイベントだったが、タイム計測区間が加わったことで、グラベルレースとしての可能性を感じられた。

公道を含めて封鎖し、マスドレースを行うことは難しいだろうが、ラリーのスペシャルステージ、あるいはMTBエンデューロのように、いくつか計測区間を設けて、合計タイムで競うようなレースフォーマットは実現できるかもしれない

なお今回は竹之内悠選手に続く2位(6分遅れ…)。賞品として、地元産のお米を頂いた。

ニセコ中央倉庫群の会場は、とても良い雰囲気だった。ただ、今回、ロングに100名、ショートに130名ほどのエントリーがあった割には、会場に滞留している人が少なかったと感じた。

15~16時頃会場にいると、回収車のハイエースが入れ替わりに参加者を運んできていた様子からも、
コース設計を欲張りすぎた、あるいは9時~16時という制限時間はタイトすぎたことが伺える。

雨天の影響もあったはずだが、もう少し早い時間にゴールできるようにすれば、ライド後の参加者で会場が賑わったのではないだろうか。

課題も残ったし、天候も満点とはいかなかったが、コース自体は楽しかったし、エイドも満足できる内容だった。
ニセコグラベルに参加するたび、どんどん良くなっているのがわかるし、同時に新たな試みも行われている。
9月のオータムライドはどんなイベントになるのか楽しみだ。

2024年のオータムライドは9/21(土)~22(日)開催予定。また北海道を走り尽くし&食べ尽くしたい。