短距離トラック競技「チームスプリント」をモチーフにしたワークアウト。チームスプリントの最終走者、あるいはロードレースにおいてトレインから発射されるスプリンターは、フレッシュな脚でもがく訳では無い。速度を上げる発射台についていくため脚を使った状態から全力を出し切る必要がある。
「最後の30秒」のフルもがき、果たして平均何ワット出せるだろうか?
Athlete-Inspired > Anna Meares – Team Sprint
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メニュー
- アップ
- 55→75% 5分
- 100% 15秒+65% 45秒
- 110% 15秒+65% 45秒
- 120% 15秒+65% 45秒
- 90→105% 3分
- 55% 3分
- メインセット
- 3セット×
- 120% 20秒
- 130% 15秒
- スプリント 30秒
- 40% 5分 ※セット間のみ
- 3セット×
- クールダウン
- 55→35% 5分
ワークアウトについて
トラック競技のチームスプリントは、3名のチームで250mバンクを3周し、先頭のゴールタイムが記録となる(男子の場合。女子は2名チームで2周回)。
3名の選手のうち、最後まで走るのは3人目の最終走者のみ。第1走者は1周目を、第2走者は2周目を全力で引き、多段ロケットのように切り離されていく。そして、高いスピードで発射された3人目が最終周回を独りで走ってゴールする。
男子の世界記録は41秒225。学連記録は45秒172と、数10秒で決着がつく短期決戦だ。
このワークアウトは、そんなチームスプリントの「3人目」を体験できるメニュー。
メインセットは
- 120% 20秒
- 130% 15秒
- スプリント 30秒
という構成。先頭を牽引する第1、第2走者の後ろについていき、そして最後の1周に相当する30秒のフリーライドで、全て出し切る全開スプリントを行う。
この30秒間は画面上に平均パワーが表示される。「フリーライド」扱いなのでパワー指定は無いが、高い数値を狙って本気で踏もう。
しかし、序盤の20秒+15秒の無酸素運動で、エネルギー源となるリン酸や糖を急速に消費するため、フレッシュな状態で30秒もがくようなパワーは出ないはずだ。
こういうシチュエーションで自身の無酸素運動能力を測るには、無酸素エネルギー貯蔵量「FRC」の考え方が役立つ。
※もっともスプリントの場合、神経筋パワーやペダリングスキルも影響するので計算通りにはいかないが。
ロードレースにおいても、ゴール前でトレインから発射されるエーススプリンターは同じような踏み方をしている。
そもそも実戦において、理想的な状態で全力を出せるシチュエーションなんて殆ど無い。筋肉が疲労し、心拍数が上がった状態でも高いパフォーマンスを発揮できる選手が強い選手だ。
このワークアウトでは、以上のメニューを3セット、5分間のレストを挟んで行う。十分なリカバリータイムがあるので、毎回きっちり、脚が千切れるまで踏もう。
ワークアウト実走
短いダッシュを挟みつつ、やや高い強度までウォーミングアップを行ったあとメインセットへ。
インターバルは合計65秒間で、心拍数が上がり切る前に終わってしまう。前半の区間では、高めのケイデンスを保ち、できるだけ脚を温存する。
そして30秒間のスプリント。後半タレてくるのは仕方ないので、できるだけパワーを維持するよう粘る。チラッと残り時間を見て、まだ15秒残ってる…なんて絶望しつつクリア。
5分間のレストではリラックスして回復。
ごく短時間の無酸素運動で働くエネルギー供給機構であるリン酸系は、3~5分のレストでほぼ完全に回復する。2本目、3本目でも30秒スプリントパワー更新を狙おう。
32分のワークアウト中、メインセットはわずか3分15秒というメニューだが、けっこう追い込んだ気持ちになった。
ところでこのメニュー、フリーライド区間で適当に流していても星は取れる。パワーを出し切って「完遂」できたかどうかは、自分の心に問いかけよう。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。