ヒルクライム中に勾配がきつい場所で踏み増すようなシチュエーションを想定したワークアウトで、FTP走をしながら、2分ごとに10秒の無酸素ダッシュを繰り返す。
FTP走では脚を回復させる余裕が無いため、28分間のメインセット後半は疲労が蓄積し、脚の筋肉も心拍数もどんどん追い込まれていく。
GCN > Race Prep > FTP W/ Bursts
https://whatsonzwift.com/workouts/gcn/race-prep-ftp-w-bursts
メニュー
- アップ
- 25→75% 10分
- 3セット×(75% 1分+50% 1分)
- メインセット
- 100% 2分
- 12セット×(130% 10秒+100% 2分)
- クールダウン
- 75→25% 9分
ワークアウトについて
GCNのワークアウトには、似たような名前、似たような内容のメニューがいくつもある。
L3~L4で踏みながら定期的にバーストを入れるメニューは、SweetSpot三兄弟にFTP w/ Burstsを加えた4種類。
その中で、最も凶悪なものが本稿で扱う「FTP w/ Burst」だ。
ワークアウト | 本数 | インターバル | レスト | 感想 |
SweetSpot with bursts Whatsonzwift.com | 15本 | 120% L6 20秒 | 88% SST 2分 | (比較的)ラク |
SweetSpot w/ Bursts Whatsonzwift.com | 18本 | 120% L6 20秒 | 90% SST 2分 | 長い |
Sweetspot w/ steeps Whatsonzwift.com | 12本 | 130% L6 45秒 | 90% SST 2分 | キツい |
FTP w/ Bursts Whatsonzwift.com | 12本 | 130% L6 10秒 | 100% L4 2分 | 無理 |
…とはいえ、2023年10月のアップデートで行われたワークアウトメニュー再編で、Sweetspotの3本は消えてしまったのだが…
さて、これらのワークアウトの狙いは
- 連続して高出力を維持しながら、短いプッシュを入れること
- 高負荷の状態で脚や心拍を回復させること
実走でありうるシチュエーションとしては、ヒルクライム中に勾配がきつい場所で踏み増すような場合か。
完全にON-OFFとなるインターバルとは違い、有酸素運動の限界付近で、バーストで生んだ負債を返済する能力が要求される。
メインセットは28分間。FTP 100%でペダリングを行いながら、2分ごとに130% L6 10秒のダッシュを行う。
FTPは、乳酸の生成量が分解量を上回り、徐々に蓄積し始める状態(LT:乳酸閾値)で絞り出せるパワーだ。つまり、短いダッシュで生成された乳酸を分解する余裕はない。
10秒のダッシュで蓄積される疲労は僅かだが、長いメインセット中、何度もダッシュを繰り返すことで、だんだん脚が重くなっていく。
完遂のポイントは、安定したフォームと滑らかなペダリングだ。FTP走の最中、無駄にして良いパワーなど無い。
それでも終盤はかなり苦しむことになるだろう。
ワークアウト実走
負荷100%でトライ。なおFTP設定は320Wだ。
10分の長くイージーなウォーミングアップを終え、軽く足を回したら、28分間の長い長いメインセットへ。
2分間のFTP走と10秒間の無酸素ダッシュをひたすら繰り返す。
ダッシュ回数は12本。あと2/3…あと1/3…と、残りを数えながらセットをこなす。
ただ、10秒のダッシュ自体は腰を上げてダンシングすればどうということはない。辛いのはむしろ、淡々と踏み続けるFTP走のほうだ。
時間経過に伴い、ダッシュで蓄積された疲労が脚の重さや心拍上昇となってジワジワと追い込まれる。グラフを見ても、心拍数は僅かに右肩上がりとなっていることがわかる。
身体的にだけではない。重い脚でFTPを維持し続けるのは精神的にもかなり苦しい。ラスト1分は永遠に続くかのように感じられた。
後から振り返ると、2分ごとのダッシュでリフレッシュできるのは、私にとってむしろ救いになったとさえ思えた。
これが28分間のFTP走なら、(主に精神が耐えられずに)完遂できなかったかもしれない。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。