パナレーサー ニセコグラベル オータムライド 2026 ~北海道の「生きたグラベル」を走る、ヒグマコース119km~

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日本最大のグラベルイベント パナレーサー ニセコグラベルに今年も参加。
朝方に降った雨も上がり、最高のコンディションで北海道のグラベルを堪能できた。

目次

Panaracer NISEKO GRAVEL AUTUMN RIDE 2026

日本を代表するグラベルライドイベント

ひとつの自転車ジャンルとして日本でも浸透しつつあるグラベルバイク。

本州でグラベルというと、ガレた石に覆われ荒れた林道か、あるいは河川敷の未舗装路を思い浮かべる人も多いだろう。
一方、北海道には、主に林業のため整備され、仕事のために維持管理されている「生きたグラベル」が数多く存在する。

ニセコグラベルでは、羊蹄山を望む北海道・ニセコエリアを中心に、周辺に無数に広がる極上のグラベルと、北海道ならではの雄大な景色を楽しめる。
開催は今年で6年目。グラベルタイヤの定番「GRAVELKING」シリーズを展開するパナレーサーのサポートもあり、今や日本のグラベルライドシーンを象徴する毎年恒例のグラベルイベントとなった。

パナレーサー ニセコグラベル

以前は5月のスプリングライドと9月のオータムライドが開催されていたが、2025年以降はオータムライドだけ開催されている。私は今回で8回目の参加。今回もゲストライダーとして招待していただいた。

過去のライドレポート

実力に合わせた3コース

会場となるのはニセコ駅前のニセコ町中央倉庫群。
今年は、ここを起点として南に足を伸ばし、洞爺湖方面に向かうコースレイアウトとなった。

コースは、体力やスタイルにあわせて3種類用意されている。
シマリスコースはグラベル初心者向け、エゾシカコースが一番人気だろうか。距離や獲得標高を考えても、イベントをしっかり楽しみつつ走り切りやすい設定だと思う。それでも物足りないという人には、最長のヒグマコースが待っている。

コース距離獲得標高グラベル率
ヒグマコース119km2107m35%
エゾシカコース102.4km1714m40%
シマリスコース53.1km815m40%

エントリーにあたって注意したいのは、舗装路の100kmとグラベルの100kmでは、疲労度がまったく異なるということだ。
今回、私はヒグマコースを走ったが、走行時間とTSSは淡路島一周(フルコース160km)とほぼ同水準だった。

ハードすぎる行程は、せっかくのライドを楽しむ余裕を奪ってしまうだけでなく、疲労によって事故のリスクも高まる。特にグラベルを走り慣れていない人は、距離だけで判断せず、自分の体力や経験に合ったコースを選んでほしい。

また、前日にはグラベルライドセッションも開催される。
足慣らしとはいえ、こちらも距離45.8km、獲得標高810mと十分なボリューム。
ニセコに住んでたら毎週末行きたい、2時間半ほどで楽しめる定番グラベルライドコースだった。

Panaracer NISEKO GRAVEL AUTUMN RIDE 2026

開催日:2026年9月26日(土)~27日(日)
会場:ニセコ中央倉庫群(〒048-1512 北海道虻田郡ニセコ町中央通り60-2)

タイムスケジュール

【9月26日(土)】
グラベルライドセッション 12:00 スタート 15:30 フィニッシュ
約45km/獲得標高 約800m サポート付グループライド

【9月27日(日)】
メインライド
< ヒグマコース > 7:30 スタート 15:30 フィニッシュ
約120km/獲得標高 約2,100m/走行目安時間5~8時間

< エゾシカコース > 8:00 スタート 15:00 フィニッシュ
約100km/獲得標高 約1,700m/走行目安時間4~7時間

< シマリスコース > 8:30 スタート 13:00 フィニッシュ
約45km/獲得標高 約800m/走行目安時間2~4時間

使用バイク

バイクは今年もCannondale Topstone Carbon 1 Lefty。このバイクでは3回目の参加だ。

30mmストロークのグラベル専用フォーク「Lefty Oliver」を搭載し、荒れたグラベルはもちろん、ちょっとしたシングルトラックにも対応できる懐の深さがある。
詳細はバイクレビュー記事(こちらは試乗車なので細かな仕様が異なる)を参照のこと。

この試乗車でもニセコグラベルを走ったので、自前Topstoneでの3回をあわせると4回。ニセコグラベル出撃率50%のバイクということになる。

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今年のタイヤは、グラベルキングZXの50c。
グラベルレースも視野に入れた高速ライド向けのタイヤで、センタースリックで転がり抵抗を削減する一方、サイドノブはしっかり用意され、コーナリングの安定感もある程度確保されている。
それでもグリップが不足する部分は、50cというタイヤ幅で対応する。空気圧は1.6barに設定した。

また、尻がドロドロになると気持ちが滅入るので、リヤフェンダーも用意した。
今回使うのはASS SAVERSのWin Wing2。
しっかり固定できる上に軽量なので、激しいグラベルライド中でもズレることはない。
シートステー固定タイプのフェンダーとしては、脱着が簡単なのも良い。
価格は正直高いが、定番だけはある完成度だった。

旅程

せっかく北海道に行くのだから、前後に観光も詰め込みたい。ということで今回の旅程は3泊4日。
金曜は札幌で北海道グルメを堪能し、土日にニセコのグラベルを満喫、月曜も観光しつつ、夜の飛行機で帰宅する。

日曜日のライド後に帰るのは時間的にシビアだ。
ゴール時間が読めないうえ、ニセコから新千歳空港まで車で2時間程度かかる。少なくとも後泊は入れるべきだと思う。

金曜日関空から新千歳にフライト、札幌まで自走して1泊。
土曜日朝からレンタカーでニセコに移動。前日受付ほか。
日曜日ニセコグラベル。ライド後は現地にもう1泊。
月曜日観光しつつ新千歳空港から帰宅

自転車はいつものようにタイオガ・コクーン輪行。国内線のフルサービスキャリアならこれで十分だ。

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ライドレポート:ニセコグラベル2026 ヒグマコース

雨音で目が覚める

前日はライドセッションを楽しみ、温泉に入って、前夜祭でたらふく食べて就寝。
だが当日の朝、物音で目を覚ますと本降りの雨が…

陰鬱な気持ちになりつつも朝食をとり、ライドの準備をして会場へ。

雨雲レーダーをチェックすると、大きめの雨雲がニセコに掛かっている。
だが幸いにも、今回の走行ルートである南の方は降っていないようだ。

スタート (0km)

朝7時半にスタート。雨雲が薄くなるタイミングで、若干雨粒が舞っているか?という程度の小雨だったが、念のためレインウェアを羽織っておく。
スローペースで進む小集団の中で、まだ寝ている身体をゆっくり目覚めさせる。

グラベル区間に入るとほどなく登りが始まった。
雨も上がったので途中でレインウェアを脱ぎ、淡々とペダルを踏む。

給水ポイント「峠宮田線」エイド (13.8km)

200mほど標高を稼ぐと、ピークには給水所が。こういう、ちょっとした場所に休憩・給水できるスポットが設けられているのはありがたい。
缶コーラで喉を潤し、一休みしてから下り区間へ。

雨の影響を心配していたが、路面状況は悪くない。水はけが良いのかドライと言っても良いようなコンディションだ。
バイクの動きを確かめながらグラベルを下りきり、舗装路へ。
路面はまだ濡れているものの空は明るくなってきた。

続いて、北海道道914号線「グラベル道道」を登る。見慣れた六角形の標識だが、こんな未舗装路に立っていると違和感が凄い。

なかなかハードなヒルクライムだったが、登り切ると舗装路に出て、程なくエイドが見えてきた。

「真狩村御保内地区研修センター」エイド (22.2km)

エイドでは甘酒と饅頭をいただく。ここまで20kmちょっと。まだまだ元気だが、運動中の糖分が身体に染みる。

天候はすっかり回復。青空が見え、路面もドライになった。

グラベルを下って、舗装路で登るコース設計で気持ちが良い。

「三ノ原五輪会館」エイド (35.1km)

さっきから12kmほどしか走っていないが、ミニトマトとじゃがバターをいただく。
このミニトマトが絶品で、まるでフルーツのような甘さだった。

途中でグラベルソファを見つけたので記念撮影。

グラベルを下っていると、突然視界がひらけて洞爺湖が見えた。丸い湖の真ん中に浮かぶ中島も見下ろせる。
下り基調の区間だったが、止まって、少し戻って撮影。

そのまま、洞爺湖の湖面付近まで下ってきた。

給水ポイント「夕日の見える渚公園」エイド (51.3km)

下りきって少し走ると、簡素な給水ポイントが。
今回のニセコグラベルでは、フードが充実したエイドの他に、飲み物だけ用意されている給水ポイントもいくつか設置されている。
この時期の北海道の気温なら、シングルボトルでも走りきれそうだ。

さて、次のエイドまで数kmだし、ここはスルーしようかと思ったが、近くに湖岸が見えていたのでちょっと寄り道して記念撮影。

洞爺湖は日本3位の大きさを誇るカルデラ湖。ちなみに、国内カルデラ湖の面積第1位は屈斜路湖で2位が支笏湖なので、トップ3は全て北海道にあることになる。
円形の湖のド真ん中に浮かぶ中島は、巨大噴火で屈斜路湖が形成された後、再び活発になった火山活動で隆起したものらしい。

せっかく下ったのに、次のエイドまではずっと舗装路の登り。距離は7~8kmだが、200mほど標高を稼いでいく。

「なるか愛郷の家」エイド (58.8km)

ここでやっと昼食。だいぶ走った印象だが、まだ半分残っている。
そして、ここからヒグマコースとエゾシカコースが分岐する。ヒグマコースでは西方向にぐるっと遠回りして、20kmほど余計に走る。

昼食のお弁当は4種類から選択できた。

エイドのたびにのんびり休憩しているので、ヒグマコース参加者の中ではかなり遅めのペース。後から来た参加者が出発していくのを何組か見送って、さすがに重い腰を上げた。

給水ポイント「大和多目的集会所」エイド (65.8km)

エゾシカコースとの分岐直後に給水ポイントがあったが、さっきのエイドで長居しすぎたのでここはスルー。

ここからヒグマコース区間。今までは周囲にちらほら参加者がいたが、一気に人気がなくなる。

荒涼とした尾根沿いのグラベルを登ったり。

洗い越しを豪快に突っ切ったり。

景色も良いし、道も良い。ここは今年のニセコグラベルのコースの中でも印象に残る区間だった。

「豊浦町山梨集会所」エイド (89.2km)

このエイドでエゾシカコースと合流。賑やかになる。

あんパンといちごシャーベットを食べて回復。残り30kmを走り切るための活力をチャージする。

帰り道と考えると気持ちも少し楽になる。

今年のコースは8の時を描いているので、序盤に通過した道道グラベルをもう一度登る。

「真狩村克雪管理センター」エイド (103.6km)

距離100kmを突破し、最後のエイドに立ち寄る。

甘酒としそジュース、厚揚げを補給。
しそジュースはすごく美味しかったのでおかわりを頂いた。

羊蹄山をバックにダチョウの群れを眺める。

そして最後のグラベル区間へ。林の中は微妙にぬかるんでいてドロドロになった。やっぱりリヤフェンダーをつけてきて良かった。

低くなる太陽を見つつ、ラストスパート。

フィニッシュ (119km)

午後4時すぎにフィニッシュ。スタートが7時半なので、コースタイム8時間30分のライドとなった。
一番の懸念だった天候も回復したし、道中、パンクや転倒などのトラブルもなし。何度か吹っ飛びかけたけど。

走行距離119km
獲得標高2374m
走行時間5時間43分19秒
平均時速20.8km/h
平均パワー160W
NP215W
TSS307
消費エネルギー3297kJ

泥だらけになったバイクを洗車エリアで洗って撤収。温泉に浸かって身体を癒したのであった。

2022年春から毎回参加しているニセコグラベル。

初期の頃は、グラベル中毒者のための、コアで荒削りなイベントという印象が強かった。だが、回を重ねるごとにコース設計やエイドの内容も洗練され、イベントとして着実に成熟してきたことを実感している。
もちろんヒグマコースは相応にハードだし、それなりの技術と体力が要求されるが、そうでない人にとっても参加しやすい、幅広い層に勧められるイベントになったことは確かだ。

近年、グラベルイベントの数は増えているが、その一方で、一度きりの開催で終わってしまうものも少なくない。
だからこそニセコグラベルには、これからも毎年この場所に戻ってきたくなる、恒例のイベントとして続いていってほしいと願っている。

おまけ:観光

ライド翌日、空港に向かう道中で洞爺湖方面に立ち寄り、有珠山を観光。
過去100年ほどで4回噴火している活火山で、噴火のたびに溶岩ドームが形成され、山の形が変わっている。
最も最近の噴火は2000年。この時の様子がニュースで報道されていたのを覚えている。

有珠山ロープウェイで山頂付近に向かう。運賃は往復2000円だが、たったこれだけの課金で標高190mから550mまで、わずか6分で移動できると考えると破格に思えてくる。

麓の昭和新山熊牧場にも立ち寄っておく。
こんな猛獣と山の中で対峙したらひとたまりもないな…などと思っていたら、手を上げて餌をせがんでいた。人に媚びてんじゃねえぞ!

まだ少しだけ時間があったので、もう1箇所立ち寄る。
2000年3月末の有珠山噴火で泥流が押し寄せ、壊滅的な被害を受けた地域だ。

ここは現在、泥流を誘導してせき止めることで、市街地への被害を防ぐためのエリアとなっているが、被害を受けた温泉施設と団地、そして橋梁が保存されている。

団地の側面には、泥流で流された橋梁(木の実橋)がぶつかった痕跡が残っている。
また、団地や温泉の1回は半分ほどが泥で埋まっていた。

なお、この噴火による死者・負傷者数は0人だった。
有珠山は噴火の前兆として地震が急増する性質があるため、事前に避難できたためだという。

小雨のなか遺構を見学し、空港に向かうことになる…のだが、その後2時間、ずっと滝のような雨のなか運転することになるのであった。

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